【キャンプ場スタッフ監修】スノーシューと聞くと雪のあまり降らない地域の人はイメージが湧かないかもしれませんが、実は雪とはきってもきれない必須アイテム!
雪の降る冬キャンプでは足場が悪く、歩くのも一苦労。そこで、スノーシューがあれば歩くのはもちろん、テント周りの整地も楽にできます。もちろんそのままスノシューハイクを楽しむのもよし!
今回は、キャンプ歴5年の北海道キャンパーおとうさんに、スノーシューの魅力や使い方やおすすめスノーシューを紹介してもらいます。
いますぐおすすめのスノーシューを知りたい人は、以下のボタンからジャンプしてくださいね!
こんにちは!有野実苑オートキャンプ場の妖精、コッフェルくんだよ!
キャンプのことはなんでも聞いてね!
冬の雪が降っている時期にキャンプをするならスノーシューは必要ですか?スノーブーツとの違いや使い方が知りたいです
まかせて!スノーシューは雪の上を歩くための特殊な靴のことで、一見板状になっていて靴やブーツにとりつける器具がついてるよ。スノーシューがなくても過ごすことはできるけど、あることで作業効率がよくなったり、スノーシューハイクなどのアクティビティが可能になるから冬キャンプをもっと楽しみたい人におすすめ♪
スノーシューは練習なしで楽しめるウィンターアクティビティです。山奥に行かなくても公園を歩くだけで十分楽しめますよ!
有野実苑(ありのみえん)オートキャンプ場は千葉県山武市にある緑豊かな森と農園に囲まれたキャンプ場。 関東近郊で都心から90分というアクセスのいい立地にありながら、きれいな空気と新鮮な産物に恵まれ、四季折々のキャンプを気軽にお楽しみいただけます。 木々に囲まれて区画されたサイトと、充実した設備、各種クラフト体験や収穫体験など様々なイベントをご用意し、 スタッフ一同、皆さまのお越しをお待ちしております。
有野実苑オートキャンプ場公式サイトはこちら:https://arinomi.co.jp/
※本記事はキャンプのプロ!有野実苑オートキャンプ場のスタッフをはじめ、有野実苑を愛してくださるキャンパーのみなさま・全国のキャンパーのみなさまのお声、口コミを参考に制作しています。
スノーシューとは?
スノーシューとは、深雪の中を楽に歩くための道具です。足が雪の中に沈まないよう、サポートしてくれます。
昔話でおじいちゃんが冬に履いている「かんじき」をイメージしていただけるとわかりやすいでしょう。
スノーシューはその名前の通り英語圏(北欧)が発祥で、かんじきとは似て非なるものです。
かんじき(ワカン)は基本的に竹製なのに対し、スノーシューはプラスチックまたはアルミ製です。
スノーシューは各パーツに、雪の上で使いやすくなる工夫がされています。
ここでは簡単にその工夫を紹介します。
■ フレーム、デッキ:スノーシューのメインパーツ。浮力により雪に埋まりにくくする。
■ バインディング:足を固定する器具。(スキー、スノーボードのビンディングと同意)
■ ヒールリフター:急こう配で足の角度を保持する。
■ クランポン:雪に食い込む爪。斜面で滑落を防ぐ効果がある。
この様にスノーシューには雪の上を歩きやすくしてくれる工夫がいくつも施されています。
【スノーブーツとの違い】
スノーシューと聞くと「スノー」+「シューズ」を連想し、スノーブーツと混同してしまいますね。
しかしこの2つは言葉こそ似ていますが実際はまったくの別物です。
スノーシューは足に装着し雪上を快適に歩く道具で、靴ではありません。当然、防寒機能もありません。
一方、スノーブーツは防寒機能のある「靴」です。冬に履くブーツなので雪が中に入らないように丈が長くなっていて、内側はボアがあり温かいのが特徴です。
靴底が滑りにくくなっているなど雪道を歩きやすくはなっていますが、フレームやデッキはなく、深雪では埋まってしまいます。
スノーシューは雪の上を歩く道具、スノーブーツは雪の歩道を歩く靴と覚えましょう。
【似ているけど同じじゃない?ワカン(輪かんじき)との違い】
先に少しだけ触れましたが、スノーシューとワカン(輪かんじき)も違います。
ワカンもスノーシュー同様、雪の上を歩きやすくするという目的では同じです。とはいえ、スノーシューの方が雪に沈まないため、初心者はスノシューの使用をおすすめします。
それぞれ得意なことがあるので表にしました。
用途 | 特徴 | |
---|---|---|
スノーシュー | 深雪の中を歩く | 取り回し性は劣るが深雪で歩きやすい |
ワカン(輪かんじき) | 薮の中を歩く | 浮力は劣るが方向転換が楽で樹林帯で活躍する |
北欧で生まれたスノーシューは広い雪原を歩くのに適し、日本で生まれたワカンは樹林帯を歩くのに適しています。
スノーシューでできること!使い方や魅力
スノーシューで、できることについて魅力も踏まえてお伝えします。
【テント周辺の整備が楽になる】
雪中キャンプではじめにするのが、雪を踏み固めて整地することです。
スノーブーツでもできますが、足の大きさでしか整地できず深く入りすぎて効率が悪いです。
その点スノーシューを履けば足の大きさより広い範囲を踏め、さらに必要以上に深く踏み込まないので効率よく整地できます。
【歩きづらい雪の上が歩ける】
スノーシューがあれば、降ったばかりの新雪の上もスイスイ歩けます。
また深い雪の上も埋まることなく歩け、普段歩けない、いつもとは違う景色に出会えます。
【スノーシューハイクなどのアクティビティができる】
スノーシューハイクとはスノーシューを履いて雪原を自由に歩く人気のアクティビティです。
スノーシューハイクは基本的にスノーシューを履いて歩くだけなので練習をする必要がなく、誰でも楽しめるんです。
誰の足跡も付いていない銀世界に踏み込んだら思わず童心にかえり、夢中で遊んでしまいますよ。
スノーシューの選び方
スノーシューは形状や素材、固定方法などで選びかたが変わります。
ここでは項目を4つに分けて解説します。
どれもスノーシューを購入する際にチェックすべきポイントなので、しっかり確認してくださいね。
【①形状をチェック】
スノーシューは歩く場所の状況によってフレームの形状が変わります。
状況とは傾斜を意味し、平地や山道で購入すべきモデルが違います。
具体的には
- 平地:大きめのフレームで浮力が高く、深雪を歩きやすい
- 傾斜地:小さめのフレームで小回りが利き、傾斜地での取り回しがよい。
などの特徴があります。
【②素材をチェック】
素材はそのままフレームの形状となります。
- アルミ:アルミ製の棒で成型されたチューブ状のフレーム。軽量で、やわらかい新雪で歩きやすい。
- プラスチック:一枚板で周囲にエッジがあり滑りにくいのが特徴。傾斜地でも安定して歩ける。
平原はアルミ、傾斜地はプラスチックという使い分けでよいです。
【③サイズをチェック】
スノーシューにおけるサイズは、適合荷重によって変わります。
適合荷重とは、使用者の体重にザックの重さをくわえたものです。
一般的に80㎏~100㎏が多いですが、低価格のモデルではサイズの記載がない場合もあります。
記載がない場合は80㎏を想定するとよいでしょう。
また適合荷重は浮力とも言え、浮力はデッキの大きさとも言えます。
適合荷重(浮力)が大きい=デッキが大きい=沈みにくい
この公式を覚えておくと購入の際の参考になります。
【④バインディングの固定・着脱のしやすさをチェック】
スノーシューをブーツに固定する器具をバインディング(ビンディング)といいます。
バインディングには大きく3種類あり、それぞれ特徴があります。
その特徴を以下にまとめました。
タイプ | メリット | デメリット |
---|---|---|
ラチェット式 出典:Amazon | ・バックルにラチェットを通すだけで固定が可能 ・カチカチと締め方を微調整できる | ・歩行中にラチェットベルトが切れると修復が困難 ・ベルトが緩むことがある |
BOAフィットシステム (ダイヤル式) 出典:Amazon | ・装着が簡単 ・ワイヤーが通ったダイヤルで締め方を微調整できる | ・ワイヤーが切れると修復が困難 |
ベルト(ストラップ)式 出典:Amazon | ・装着に時間がかかるがしっかりと固定される ・ベルトが切れても交換可能 | ・きつく閉めるには力がいる |
バインディングのタイプにはそれぞれ2本タイプや3本タイプがあり、ホールドのしやすさや締め付け感が変わります。
また、気温が低くなるとベルトが固くなり締め付けにくくなり、さらに手がかじかんで操作が難しくなるのも覚えておきましょう。
スノーシューを履いてみよう!装着の仕方
スノーシューの装着手順を詳しく説明します。
まず、左右の確認をします。スノーブーツやトレッキングシューズの裏についた雪はしっかりと落としておきましょう。
早速履いていきます。
バインディングの奥まで足のつま先をしっかり入れ、位置が決まったらストラップを軽く締めて仮留めします。裏についているツメ(クランポン)の部分から、つま先が少し出るくらいの位置が坂道など登りやすくなります。
つま先の位置を確認した後、ヒールストラップ(かかと)を締めます。余ったストラップは、固定するパーツがあればそこにしっかりと固定しておきましょう。
最後に、仮留めしておいたつま先のストラップをしっかりと締め直し、全体がしっかり固定されていることを確認します。
バインディングの留め方はメーカーによって異なるため、購入したスノーシューの取扱説明書を事前に確認し、適切な方法で装着してください。
装着後は、バインディングがしっかりと固定されているか、また足に適切なフィット感があるかを再確認しましょう。不安定な装着は転倒のリスクを高めてしまうので、しっかりと!
スノーシューの歩き方のコツ
しっかり装着できたらあとは歩いて楽しむだけ!
スノーシューハイクをする場合は、トレッキングポールは必須ですよ。
【まずはまっすぐ歩く!平面を前進・後退する時のコツ】
フラットな場所では、スノーシュー同士がぶつからないように少し足幅を広げて歩くことが重要です。かかとを引きずるようにして歩き、平行に歩くことを意識しましょう。
左右が八の字や逆ハの字になると、フレームを踏んでしまったり、引っかかってしまい転倒してしまうことも!
平行にまっすぐ歩くことを心がけましょう。
後退することは少ないですが、後ろに歩きたいシーンもあるかもしれません。実は、スノーシューの裏の爪が雪に引っかかり意外と難しいんです。転倒してしまうので、そんな時は無理せず、ぐるっと回って方向転換しましょう。
【上り斜面での歩き方のコツ】
緩い上り斜面では、スノーシューの前ツメ(クランポン)を効かせながら登ることが大切です。つま先に力を入れ、前に体重をかけて確実に登ります。
ここで、ヒールリフター機能がついている場合はこれを使用すると楽に登ることができます。斜面を登るときにヒールリフターを立ち上げておくと、踵が持ち上がり足への負担が減ります。
ヒールリフターは、平面や下り傾斜の場合は元に戻しておきましょう!体が前に倒れてしまいます。
トレッキングポールは短めに設定し、しっかりと支えとして使います。
【下り斜面での歩き方】
下り斜面では、トレッキングポールを長めにして前方に突き、かかとから脚を下ろします。前のめりにならないよう注意を払います。
急斜面を降りるときは、特に慎重に!後ろのツメ(クランポン)の後部に体重をかけてブレーキをかけるようにし、引きずる感じでゆっくりと歩きます。雪に深く刺さらないように、歩幅や足の上げ方に注意が必要です。
おすすめスノーシュー12選
ここからは、おすすめのスノーシュー12選をご紹介します。
【MSR スノーシュー EVOアキュブレイド 】
耐久性に優れ、歩きやすいためバックカントリーを楽しむスノーボーダーからも人気のスノーシューです。
鋭いクランポンで傾斜地でも安心して歩行できます。
バインディングは専用のブーツを履いて踏み込むだけでセットできるステップインで、快適な操作性です。
・サイズ:55.9L x 20.3W cm
・重量:1.63㎏
・素材:EVOアッセント
・地形:傾斜地
【キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) CS スノーシュー】
冬の登山や公園で雪遊びを満喫できるエントリーモデルです。その点はさすがキャプテンスタッグという感じですね。
バインディングは操作の簡単なバックル式。すくない力で確実に締め付けができます。
携帯に便利なキャリーバッグ付き。
・サイズ:56.5L x 21W cm
・重量:1.56㎏
・素材:アルミニウム
・地形:平地 傾斜地
【コンパル アルミ・スノーシュー M-53】
片足795gと軽量なモデル。フレームはアルミニウムで、軽量でありながら強度は十分です。
深雪でも沈み込みが少ないので、思い切り雪遊びを楽しめます。
デッキには「反り」が付いているので、はじめてスノーシューを履く人でも歩きやすいのが特徴です。
持ち運びに便利な収納袋が付属します。
・サイズ:21L×53W㎝
・重量:795g(片方)
・素材:アルミニウム
・地形:平地
【PEAKS&TREES カンジキ スノーシュー スパイク付】
軽くて装着が簡単なかんじきタイプのスノーシューです。
バインディングはベルト式で、多少力は必要ですが操作が簡単で迷うことなく装着できます。
雪原で遊んでみたいけどスノーシューを購入するのは大袈裟な気がしている人も、この商品ならハードルが低く始めやすいでしょう。
軽くて操作が簡単なので、スノートレッキングだけでなく雪かき作業にも最適です。
・サイズ:34L x 23W cm
・重量:620g
・素材:プラスチック
・地形:平地
【キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) CS スノーシュー】
冬山登山や平地でのアクティビティをマルチにこなすスノーシュー。
鮮やかなカラーリングが目を引きます。
バインディングは操作の簡単なバックル式で確実なホールドが可能です。
後ろに行くにしたがって細くなっているので、雪の上を歩いていても引っ掛かりにくく、快適に歩けます。
・サイズ:68L x 21W cm
・重量:1926g
・素材:プラスチック
・地形:平地 傾斜地
【ALPIDEX アルピデックス スノーシュー】
ダブルトラクションビンディングという独自のバインディングで本体と足を確実にホールドします。
デッキは楕円形で、縦に長いので横滑りしにくいのが特徴です。坂道を横断する際に威力を発揮します。
ヒールリフター付きで傾斜地でも足の角度を保持し、快適な歩行を実現しています。
・サイズ:62L×22W㎝
・重量:1050g
・素材:プラスチック
・地形:傾斜地
【TUBBS(タブス) Mens Flex RDG メンズ フレックス RDG 24】
締め付け具合を細かく調整できるダイヤル式バインディングを採用。片手で簡単に操作できます。
小さめのデッキで濡れ雪には不向きですが、降ったばかりのサラサラの雪には絶大な威力を発揮します。
新雪は特に足を取られやすい場面では、かかとのベルトが効果的です。
・サイズ:61L×20W㎝
・重量:1.77㎏
・素材:プラスチック
・地形:傾斜地
上記のレディースモデルです。
バインディングは同様にダイヤル式で、力のない人でも確実に締め付けられます。
ダイヤル操作で同時にかかとも締め付けられるので、ほかのシステムとはホールド感が違います。
デッキに弾力があり、凹凸のある雪原でも歩きやすいのが特徴で、しなることで疲れも軽減してくれますよ。
【アトラス ヘリウム BC 26】
重さ1.45㎏と軽量なモデルです。
軽さは歩行時の疲労軽減に直結し、長い時間雪山を歩く際に体力の消耗を防ぎます。
重ねるとフラットに収納でき、軽量性とあわせてバックカントリースキーに最適なモデルになっています。
・サイズ:66L×22Wcm
・重量:1.45㎏
・素材:プラスチック
・地形:傾斜地
【エムエスアール(MSR) アウトドア スノーシュー ライトニングアッセント】
アメリカを代表する登山メーカーMSRのフラッグシップモデル。
デッキの周囲360度を囲むトラクションフレームと2本のクロスメンバーが高いグリップ力を発揮します。
高いグリップ力は急斜面を登る際や、斜面を横切る時に効果があります。
緩斜面から山頂までマルチにこなすモデルです。
・サイズ:56L×22W
・重量:1.84kg
・素材:プラスチック
・地形:傾斜地
【TSL ティーエスエル スノーシュー HIGHLANDER adjust PFRHL190】
濡れ雪やパウダースノーまであらゆるシチュエーションに対応する万能型スノーシュー。
バインディングは細かい調整が可能なBOAシステム(ダイヤル式)を採用しています。
TSLは日本では馴染みのないメーカーですが、ヨーロッパを代表するスノーシューメーカーです。
フランスアルプスで培われた技術を堪能しましょう。
・サイズ:61.5L×21Wcm(Mサイズ)
・重量:1.86kg
・素材:プラスチック
・地形:平地 傾斜地
【ATLAS(アトラス) スノーシュー スノーラン 1831917】
スノーシューで雪原を歩くスノーハイクの中でも、走ることを目的としたスノーランに 特化したモデル。
バインディングは締め付け具合の調整がしやすいBOAシステム(ダイヤル式)を採用しています。
サスペンションの反発力を活かして颯爽と雪原を駆け巡りましょう。
・サイズ:59L×22Wcm
・重量:1.3kg
・素材:アルミニウム
・地形:平地
【Dzannc スノーシュー 25インチ】
重さは気になりますが、低価格なのでエントリーモデルとして最適です。
バインディングはラチェット式を採用し、確実なホールドを実現しています。
ラチェット式の採用でエントリーモデルとは思えない使いやすさです。
クランポンと合わせヒールが30°浮くので雪山でも使用できますよ。
・サイズ:60L×22Wcm
・重量:2.08kg
・素材:アルミニウム
・地形:平地
まとめ:スノーシューで雪の日のキャンプも思い切り楽しもう
スノーシューは特別な練習を必要としないウィンターアクティビティです。
どこまでも続く雪原に踏み出しましょう。
スノーシューを履けば雪を踏む面積が広くなるので、冬キャンプに欠かせない整地も効率よく行えます。
冬キャンプに来たら、スノーシューで素早くサイト設営をして、そのまま遊びに出かけましょう!