木曜日, 12月 26, 2024
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テントのベタつきは加水分解が原因?劣化を防ぐための対策と対処法を紹介

※本記事には一部プロモーションが含まれます

【キャンプ場スタッフ監修】長年愛用してきたテントのべたつきが気になるという方……実はそれ「加水分解」が原因って知っていましたか?劣化や管理不足により加水分解が進んでしまい、べたつきや臭いが気になるように。

今回は加水分解の症状や原因、事前にできる対策や起きてしまった後の対処法などについて紹介していきます。

こんにちは!有野実苑オートキャンプ場の妖精、コッフェルくんだよ!
キャンプのことはなんでも聞いてね!

テントのお手入れがしっかりできてないような気がするんだけど、お手入れ不足が原因で劣化が進むって本当ですか?

テントは素材にもよるけどお手入れ不足が原因でさまざまなトラブルが起こりやすいから注意が必要だよ!特に防水加工のしてあるポリウレタンコーティングのテントは加水分解という現象が起きやすく、お手入れ次第でテントの長持ち度が変わるんだ!今回はベテランキャンパーHitomiさんにその加水分解についてくわしく説明してもらうね

加水分解の特徴を知り、使用方法や保管場所に気を付けるだけでテントの持ちがグッとよくなります。せっかく購入した大切なテントだからこそ丁寧にメンテナンスを行い、少しでも長く愛用しましょう!

【有野実苑オートキャンプ場】

有野実苑(ありのみえん)オートキャンプ場は千葉県山武市にある緑豊かな森と農園に囲まれたキャンプ場。 関東近郊で都心から90分というアクセスのいい立地にありながら、きれいな空気と新鮮な産物に恵まれ、四季折々のキャンプを気軽にお楽しみいただけます。 木々に囲まれて区画されたサイトと、充実した設備、各種クラフト体験や収穫体験など様々なイベントをご用意し、 スタッフ一同、皆さまのお越しをお待ちしております。

有野実苑オートキャンプ場公式サイトはこちら:https://arinomi.co.jp/

※本記事はキャンプのプロ!有野実苑オートキャンプ場のスタッフをはじめ、有野実苑を愛してくださるキャンパーのみなさま・全国のキャンパーのみなさまのお声、口コミを参考に制作しています。

加水分解とは?加水分解による影響や症状

加水分解とは?加水分解による影響や症状

久しぶりにキャンプにいこう!とテントを出してみると、表面がベタベタ傷んで使い物にならなかった、という声を聞いたことはありませんか?

それは、テントの寿命を短くする原因の1つ「加水分解」によるもの。

「加水分解」とは、化学物質に水が加わることで反応が起こり、不具合(分解)が生じる現象です。

テントに加水分解が起こると生地の表面が白っぽくなり、徐々に粘着性をともない溶けだし、悪臭を放ったり、コーティングがポロポロと剥がれたりします。

それを放置して悪化させると、生地の耐性が弱くなり防水機能を失うので、設営にも影響が出て、テントとして使い物にならなくなります。

加水分解とは?加水分解による影響や症状

テント以外で加水分解が起こりやすいのがソール部分にウレタン素材を多く使うスニーカーです。

ソールが黄ばんで割れやすくなるのも加水分解による劣化の1つで、雨で濡れたスニーカーを手入れもせず放置したり、悪い保管状態のまま置いておくことが原因で起こります。

テントに加水分解が起きる原因はなに?

テントに加水分解が起きる原因はなに?

テントの加水分解は、ポリウレタンの劣化が主な原因です。

ここでいうポリウレタンはPUコーティングのことで、化学繊維のテントほぼ全ての製品によく使われている加工です。ですので、世に出回っている多くのテントで加水分解は必ず発生するということになります。

PUコーティングはテント生地の耐水性をあげるのに欠かせない加工ですが、その反面、水分が付着したまま適当に放置してしまうと劣化する性質があります。

雨キャンプ後にテントを濡れたまま保管するなんてもってのほか。

特に塩素水に弱いため、テントの汚れを水道水で洗い流した場合は、よく乾燥させないと加水分解を進行させてしまいます。

雨以外にもキャンプ中によくある朝露、また、日本は高温多湿な気候なので空気中に多く含む水分からも分解が進みやすい環境といえるでしょう。

PUコーティングが悪いわけではないよ。加水分解は遅かれ早かれ劣化とともに起こりうる現象だから、うまく付き合っていくのが大切!

ポリウレタンの特性上、加水分解を避けることは不可能ですが、メンテナンスや保管に気を付けることで劣化の発生を遅らせることはできます。

ご自身のテントを長く愛用したいのであれば、使用後のお手入れを特に念入りに行うようにしましょう。

加水分解の進行を遅らせるための対策

加水分解の進行を遅らせるための対策
Photo by Hitomi

テントの加水分解を100%防ぐことは難しく、一度始まるとその進行を完全に止めることはできません。

なので、きちんとケアを行い適切に管理することで、加水分解が発生するスピードを遅らせることが重要になります!

①使用後はしっかりと乾かしてから収納する
②日光が当たらず湿気のない風通しのいい場所で保管する
③そもそもの原因「PUコーティング加工」をしていないテントを買う

これらのポイントを抑えて、ケアしていきましょう。

【①使用後はしっかりと乾かしてから収納する

①使用後はしっかりと乾かしてから収納する

第一に、キャンプ後のケアとして重要なのが、「収納前にしっかりとテントを乾かす」こと。

汚れを落としてから乾かしますが、PUコーティングは水分と塩素に弱いため、水道水で流す場合は念入りに乾かしてから収納するようにしましょう。

撤退日が雨でキャンプ場で乾かせない場合は、なるべく日を空けず、自宅に戻ったらすぐに乾かすようにしてください。

自宅での乾燥が場所がなくて難しいという場合は、「ソトリスト」などのテント乾燥サービスを利用するのも一つです。

キャンプ帰りに予約して、ヤマト営業所から送るだけで清掃したテントが自宅に届くという素敵サービス!おすすめです。

【②日光が当たらず湿気のない風通しのいい場所で保管する

②日光が当たらず湿気のない風通しのいい場所で保管する
Photo by Hitomi

テントをキレイに乾かしたあとに大切なのが、保管場所の見直しです。

テントは使うより保管時間が長いため、生地に負担のかからない状態をキープするためにも「日が当たらない風通しの良い場所」に置くよう心がけましょう。

前述したとおり、PUコーティングは湿気に弱いですが、高温になりすぎる場所もNG。

熱がこもらない、湿気のない冷暗所がベストです。

日本の夏は特に多湿なので、一緒に乾燥剤を置くのもいいですね

よくやってしまうのが、車にテントを積みっぱなしにしてしまうこと。夏の車内はあっという間に高温になるのでテントの劣化も早めてしまうよ!

③そもそもの原因「PUコーティング加工」をしていないテントを買う

③そもそもの原因「PUコーティング加工」をしていないテントを買う
有野実苑キャンパーの素敵な投稿より

加水分解はポリウレタンが劣化することで起こるため、PUコーティングをそもそも使っていないテントを選べばその心配はなくなります。

化学繊維をコーティングに使っているテントが大半ですが、中にはコットンテントのように天然素材の生地でできているテントもあります。

ポリコットンも同様に天然素材を生地の一部に使用しており、PUコーティング無しのものは加水分解が発生しにくい素材です。

コットンは水分を含むと膨張する特性があるから、生地の密度が上がり防水効果もばっちり!

コットン系は加水分解が起きない代わりにカビが生えやすい素材にはなるので、そこのケアは必要になります。

まだ間に合う!加水分解が始まった場合の対処策

対策をしていたにもかかわらず、もし加水分解が始まったらどうすればいいのでしょうか?

分解が起きてしまったら劣化は止められず、テントメーカーでの修理も断られることが多く、100%元の状態に復活させることはできません。

ですが、応急処置として耐水性は落ちてしまいますが、ベタつきを取り除く対処法はあります。

少しでも復活させるために早急に正しい処置をしましょう!

①防水剤を塗って補強作業

出典:Amazon

加水分解が起きた箇所にシリコン系の防水材または撥水材を塗ることで、ベタつきを緩和させ、撥水効果をあげる処置です。

ですが、完璧に防水性を復活できるわけではないため、あくまでも一時的に効果を高めるものということを念頭において処置をするようにしてください。

防水材はスプレータイプと刷毛で塗る液状タイプがありますが、広い範囲をしっかりと塗りたい場合には液状タイプがオススメ。

揮発性が高いので、刷毛で塗る際はフタがあるような容器にいれ、少しづつ使うようにしましょう。

防水材はとても強力な薬剤になります。室内での使用は大変危険なので、手袋・マスクを必ず着用し、屋外で作業するようにしてくださいね!

【②重曹でコーティング落とし&補強をする方法】

注意点がありますが、重曹を使ってベタつきを落とす方法があります。

  1. 重曹をぬるま湯に溶かし、そこにテントを1時間ほど漬け込みながら洗う
  2. 剥がれてきたコーティングをテント生地から剥がす
  3. しっかり乾燥させる
  4. 乾いたテントにシリコン系の撥水材(POLON-Tなど)を刷毛で塗る
  5. 全面にしっかり塗ったらよく乾かす

ベタつきをとる方法としては有効ですが、雨の日のキャンプに使用するテントに施すのはオススメしません。

この処置をした場合、耐水性は以前より下がってしまうためです。

また、重曹で洗うとシームテープも剥がれる場合があるので、劣化していたら市販されているシームテープを張り替えるようにしましょう。

【注意!】べたつきは重曹で簡単に除去できるが……

加水分解で起こるベタつきの落とし方として、様々なWebサイトで紹介されているのが重曹での処理です。

確かに重曹でベタベタを落とすことは可能ですが、ベタつきの原因であるPUコーティングの劣化だけでなく、テントそのものの撥水・防水コーティングやロゴなどのプリント類を全て剥ぎ取る形になるので、あくまでも最終手段であることをお忘れなく。

また、素人が行う重曹処理は推奨されていません

完全に自己責任になりますが、もし行う場合はデメリットをよく理解したうえで、最悪の場合はテントの買い替えも視野に入れるようにしましょう。

③プロに任せる!専用サービスでべたつきを除去

セルフクリーニングで上手くいくかも分からない処置に懸けるよりかは、潔くテント専門業者に依頼してしまいましょう!

プロでも完全に修理するのは無理ですが、できる限りの撥水加工を施してくれたり、ベタつきを取り除くオプションを提供してくれるテントクリーニングサービスがあります。

もちろん自分でするより費用はかさみますが、ベタつき除去とともに臭い軽減も行ってくれるので、広い範囲を処置する必要がある場合は特にオススメです。

専門業者で有名なところでは、「テントクリーニング.com」や「きたじょう工房」などがあります。

まとめ:テントを長く使っていくためにもお手入れはしっかりと行おう

Photo by Hitomi

加水分解はキャンプ後のメンテナンスや保管に気を使うことで、事前に予防できるので過度に恐れることはありません。

また近年、ネットで中古テントを購入する方が増えていますが、型式が新しいからといって、加水分解がないとは限りません。使用回数、保存方法、メンテナンスによりテント状態はかなり左右されますので、トラブルを避けるためにも新品以外を購入する方は、慎重に。

直に手に取れないからこそ、購入の際は売主にテント状態をよく確認したうえでよく検討してくださいね!

キャンプギアの中でも高価で、必要不可欠な存在のテント。長く大切に愛用するためにも、加水分解と上手く付き合い、日々のお手入れをしっかり行って行きましょう♪

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Arizine編集部
有野実苑オートキャンプ場が監修するアウトドアメディア「Arizine」 キャンプ用品、料理、キャンプのコツから最新スタイルまでキャンプ情報はArizineにお任せ! あなたに合った素敵な記事がきっと見つかります!
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