【キャンプ場スタッフ監修】炭火焼はBBQや焼き鳥などを楽しむときに人気の調理法で、キャンプ飯を作る時に用いる人も多くいます。
コツを掴んで料理することで食材がふっくらジューシーに焼けたり、素材のうまみを引き出しやすくシンプルな料理にこそおすすめです。
今回は炭火焼に必要なポイントや調理時のコツ、炭火焼に適した料理などをベテランキャンパーAtsuさんが紹介していきます。
こんにちは!有野実苑オートキャンプ場の妖精、コッフェルくんだよ!
キャンプのことはなんでも聞いてね!
キャンプで炭火焼の料理を楽しみたいんですが、おすすめの料理はありますか?炭火焼をするときのポイントなどもあれば知りたいです!
まかせて!炭火焼はシンプルな料理ほど味が際立つもの♪今回は炭火焼の仕組みやコツなどもあわせて紹介してもらうね
アウトドアの基本は炭火焼。いわゆるバーベキューですね。バーベキューのちょっとした雑学、炭火焼が美味しくなる秘密を教えちゃいます。
有野実苑(ありのみえん)オートキャンプ場は千葉県山武市にある緑豊かな森と農園に囲まれたキャンプ場。 関東近郊で都心から90分というアクセスのいい立地にありながら、きれいな空気と新鮮な産物に恵まれ、四季折々のキャンプを気軽にお楽しみいただけます。 木々に囲まれて区画されたサイトと、充実した設備、各種クラフト体験や収穫体験など様々なイベントをご用意し、 スタッフ一同、皆さまのお越しをお待ちしております。
有野実苑オートキャンプ場公式サイトはこちら:https://arinomi.co.jp/
※本記事はキャンプのプロ!有野実苑オートキャンプ場のスタッフをはじめ、有野実苑を愛してくださるキャンパーのみなさま・全国のキャンパーのみなさまのお声、口コミを参考に制作しています。
なぜ美味しいの?炭火焼の仕組み
「炭火で焼いたら何でも美味しいよね。
バーベキューの席で、きっと誰もが一度は耳にしたことがあるこの言葉。
そして続くのは、「遠赤外線効果だよね。」という一言。
でも、遠赤外線とは一体何でしょう?なぜこれが美味しさにつながるのでしょうか。
今回は、炭火焼きの美味しさの秘密と、その仕組みをわかりやすくお伝えします。
【遠赤外線効果と近赤外線効果】
遠赤外線とはよく聞く言葉ですが、近赤外線というと聞きなれない言葉だと思います。
まず、「赤外線」とは電磁波の一種です。この赤外線には波長の長さによって、遠赤外線と近赤外線の2種類があります。
◾️遠赤外線
波長が長い遠赤外線は、食材の表面で熱エネルギーに変わり、カリッと焼き上げる特徴があります。
◾️近赤外線
波長が短い近赤外線は、食材の内部にまで熱を伝えるため、中をしっかりと温める役割を果たします。
炭火で調理をするのにどちらも欠かせない特徴ということになりますね。
まず、「赤外線」とは電磁波の一種です。この赤外線には波長の長さによって、遠赤外線と近赤外線の2種類があります。
炭火は遠赤外線と近赤外線の両方を発生させます。その結果、表面は香ばしくカリッと、中はジューシーに仕上がる、理想的な焼き加減が実現します。
【炭火の煙で燻されて香ばしさUP】
炭火で焼くと、肉や魚などの食材から油が滴り落ちて煙が発生しますよね。
炭火焼きの魅力は、食材から滴る油が炭に触れたときに発生するその煙です。
風向きによっては目に入って痛い!という思いをしたこともあると思いますが、その煙によって食材が燻されて燻製のような香ばしさが加わり、より美味しくしあげててくれるのです。
さらに、煙に含まれる成分が肉に付着すると、脂肪酸を中和し、旨味を引き立てる効果も。まさに炭火でしか味わえない特別な風味が生まれる瞬間です。
【外カリッ中ジューシーに焼きあがる】
遠赤外線は、食材の表面で熱に変わるので、表面の組織を均一に素早く焼き上げます。
一気に焼くことでうまみ成分を閉じ込めて外部に逃さない働きと、表面にカリッとよい焦げ色をつけるという働きをしてくれます。
次に近赤外線は、食材の内部にまで熱を伝えるという天然の電子レンジのような働きをしてくれます。
遠赤外線の効果で食材の表面を一気にカリッと焼き上げてうまみ成分を閉じ込め、近赤外線の効果で中までホクホクジューシーに。
遠赤外線と近赤外線の相乗効果で食材を美味しく焼き上げてくれるのですね。
炭火とガス火の違い
炭火とガス火、それぞれの火力には特徴があり、料理の仕上がりに大きな違いを生み出します。
2つの違いをまとめると以下のような違いがあります。
特徴 | 炭火 | ガス火 |
---|---|---|
熱源効果 | 遠赤外線効果で外カリッ中ジューシー | 直接的な熱で素早く調理可能 |
風味 | 煙で燻製風の香ばしさをプラス | 素材本来の味を引き立てる |
操作性 | 火力調整が難しいが均一に焼ける | 調整が簡単でスピーディ |
おすすめシーン | 本格的なバーベキュー、焼き鳥、焼き魚、キャンプ料理 | 家庭料理や時短料理、手軽なバーベキューに最適 |
炭火とガス火、それぞれの特徴を知って使い分ければ、料理の楽しみ方がさらに広がります。
あなたの好みやシーンに合った火力で、最高の一皿を作り上げてみてください!
火おこしなどの手間はかかりますが、キャンプなら炭火焼きにぜひチャレンジしてみてくださいね!特に外で食べる炭火料理はめちゃくちゃ美味しく感じますよ!
炭火の起こし方と手順
炭火焼を楽しむために、まずは炭火の起こし方と手順を紹介します。
【炭火焼をする前に必要なアイテムを揃える】
炭火焼をするための必須アイテムは7つ。
①:コンロ
②:炭
③:トング
④:着火剤
⑤:着火マン・ライター
⑥:アルミホイル
⑦:火吹き棒(うちわでもOK)
以上の物が必要になります。
上級者になれば、着火剤や着火マンを使わずに炭火を起こせるようになっている人もいますね。
【炭の火起こしの手順】
炭火料理の美味しさを引き出すためには、火起こしのコツを押さえることが大切です。
最初のステップを丁寧に行えば、調理中も安定した火力を維持できます。
炭火はちょっとしたコツでスムーズに起こせるので、初心者の方でも安心!以下の手順を参考に、効率よく炭火を準備しましょう。
① コンロにアルミホイルを敷く
コンロの汚れを防ぎ、片付けを簡単にするためにアルミホイルを敷きます。そのままだと焚き火台やバーベキューコンロが油でギトギトに。ただし、風通しが悪くなる場合はうまく火がつかないので避けましょう。
② 着火剤を置き、炭を組む
コンロに着火剤を置き、その上に炭を積み上げます。高さを出して空気の通り道を確保するように組むのがポイントです。
③ 着火剤に火をつける
着火マンを使い、炭の隙間から着火剤に火をつけます。
④ 火をつけたら10分ほど放置
着火剤が燃え尽きるまで炭を動かさず放置します。この間に火吹き棒などで風を送ると、着火剤が早く燃え尽きてしまい、炭に火がつきにくくなります。
⑤ 炭が1/3白くなったら風を送る
炭が1/3ほど白くなり、安定してきたら火吹き棒で空気を送り火力を強くします。
⑥ 炭が全体的に白くなったらばらす
炭が全体的に白くなったら、トングを使って炭をばらします。この状態で調理の準備が整います。
【使い終わったら灰や炭はしっかりと処理しよう】
使い終わった炭火はしっかりと処理をしましょう。
火が完全に消えてから、炭火処理場があればそこに。なければ持って帰らなければなりません。
炭火の処理には火消壺や火消し袋がおすすめです。
キャンプでコンパクトになるのは断然火消し袋!Zen Campsの火消し袋が使いやすくておすすめです。詳しくは以下の記事を読んでみてくださいね!
キャンプで炭火焼!炭火料理をもっと美味しく仕上げるコツ
キャンプといえば炭火焼!バーベキューで肉を焼くだけでなく、色々な炭火焼き料理に挑戦してみましょう。
炭火料理をより美味しく仕上げるコツを紹介します。
【炭の置き方で火力を調節】
炭火料理は、火加減が難しいイメージがありませんか?
肉がいっせいに焼き上がっても、一気に食べる事は出来ないので網の上に置いておくと焦げてしまったり。
そんな時は炭の置き方で火力の調節をしましょう。
コンロの端の方に炭を集めておくと、炭がある場所が強火の場所、炭のない所は弱火の場所として使用できます。
火加減を調節するにはある程度大きさのあるコンロがいいですね。
【七輪を使うことで効果倍増!】
実は七輪からも遠赤外線が発生しているのをご存じでしたか?
七輪で炭火焼をすると七輪の原料である珪藻土が加熱されていて、そこからも遠赤外線が発生。
ということは、七輪を使って炭火焼をすると効果倍増というわけです。
七輪で焼いた料理は本当に美味しいですよね。
炭火焼がうまい料理と調理時のポイントを紹介
次に、炭火で焼くと美味しい料理と、調理時のポイントを紹介します。
ちょっとしたポイントを押さえておくことで、一段と美味しくいただけるので是非試してくださいね。
【ステーキの炭火焼】
炭火でステーキを焼く贅沢なひとときを楽しんでみませんか?じっくりと火を通すことで、香ばしくジューシーなステーキが完成します
◾️ 温度の目安
お肉を焼くのに最適な温度は、網の上から5㎝くらいのところに手をかざして5秒耐えられるか耐えられないかぐらいがちょうどいい温度の目安です。
◾️ 焼く準備
ステーキは、焼く前に常温に戻して置き、火の通りが均一になるように厚みや形を整えておきましょう。
焼く直前に塩をふるのもポイント。
お肉の表面を塩でコーティングすることで中に含まれるうまみを閉じ込められるのです。
◾️ 焼き方
ステーキ肉を網の上に置いて約4分待ち、下から5㎜程度白くなってきたら裏返してもう片面を強火と弱火の間くらいのゾーンで1分ほど焼きます。分厚いお肉の場合は側面も焼いてください。
ステーキの表面に刷毛で軽く油を塗ると、表面の乾燥を防げます。
焼きあがったら、弱火のゾーンに移動させて保温状態で3分ほど休ませると出来あがり。
柔らかくジューシーなステーキの炭火焼の完成です。
【やきとりの炭火焼】
やきとりも炭火焼で焼くことでうまみUP!牛肉よりもリーズナブルで、あっさりしているのでたくさん食べられますね。
◾️ 焼く準備
串にさす鶏肉は、一口大にカットし、大きさや厚みをそろえておきます。
◾️ 焼き方
強火のゾーンで片面に焼き色がついたら裏返し返してもう一面を焼きます。
両面が焼けたら、弱火ゾーンでじっくりと中まで火を通したらできあがり。
焼く前にお酒を霧吹きなどで吹きかけることができれば、よりふっくら美味しく仕上がります。
とり肉は部位ごとに味わいが異なるので、色々な部位を味わってください。
【うなぎの蒲焼き】
うなぎの蒲焼をバーベキューで焼いて、炊き立てごはんに乗せてうな丼を食べてみませんか?
◾️ 焼く準備
捌いた生のうなぎは、あまりスーパーでは手に入らなことがあるので、ネットで購入しましょう。
うなぎがくっつかないように、網に油を塗っておきます。
◾️ 焼き方
次にトングで頭の部分を持ち、身の面から焼いていくのがポイント。
皮目から先に焼くと皮が縮んでうなぎが反ってしまいます。
まめにひっくりかえしながらしっかり焼いていくのですが、皮面は焦げやすいので身の方に7~8割くらいの比重をおいて焼きましょう。
ここで、しっぽまでしっかりと焼くことが大事。表面がこんがりきつね色になるまで焼いてください。
しっかりと焼けたら刷毛でタレを塗り、焦げ付きに注意しながら焼いていきましょう。
蒲焼のいい香りがしたら出来上がりです。
あなごで同じように焼いても美味しいですよ。
【旬の魚の炭火焼】
旬の魚を炭火で焼くと、格別な味わいを楽しめます!特におすすめなのが、サンマやシシャモ、ぶりカマなど。旬の魚をバーベキューでどんどん焼いてみましょう。
炭火で焼いた魚は、外はカリッと香ばしく、中はふっくらジューシーに仕上がります。魚本来の旨味を最大限に引き出してくれる炭火焼きで、旬の味覚を存分に楽しんでください!
◾️ 魚が網にくっつかないためのコツ
魚を焼くとき、網に身がくっついてボロボロになるのは避けたいですよね。
以下の2つのポイントを押さえておけば、魚が網にくっつく心配はありません。
1. 網をしっかり高温にする
網を事前に高温にしておくことで、魚がくっつきにくくなります。
タンパク質は「熱凝着」という性質を持っており、鉄の表面とくっつきやすいですが、高温にすることでタンパク質が瞬時に変化し、引っ付く力が弱まります。
弱火でじんわり焼くと逆に強くくっついてしまうため、最初はしっかりと網を熱してから焼き始めるのがポイントです。
2. 網にお酢を塗る
網に薄くお酢を塗っておくと、タンパク質が熱凝固する前に固まり、くっつきにくくなります。お酢の効果で網と魚の間にバリアを作り、調理がスムーズに進みます。
ちなみに切り身の魚を焼くときは、うなぎと同じく身の面から。
皮面から焼くと魚が反り返ってしまうので注意してくださいね。
【野菜の炭火焼】
野菜のバーベキューの主役になることができます。
基本的にはどんな野菜でも炭火で焼くことができますが、特に焼きやすいのは、皮が付いている野菜です。
例えば、トウモロコシや、たけのこ、そら豆など。皮ごと焼いて、皮の表面が真っ黒になってくると中はふっくらジューシーに蒸し焼きに仕上がっています。
芋類は、アルミホイルに包んで炭火の中に直接入れて焼くとホクホクに。じゃがバターや焼き芋も楽しんでくださいね。
ピーマンの丸焼きもおすすめ!種ごと食べられます。
【ホタテや牡蠣などの貝類の炭火焼】
貝類は炭火焼にぴったりの食材!手間が少なく、そのまま殻ごと焼けるので、素材の旨味を最大限に引き出せます。ホタテや牡蠣は特におすすめで、炭火の香ばしさが貝の甘みとよく合います。
◾️ 焼き方のポイント
貝類は炭火で焼くのがとても簡単で、どちらも最初は平らな面を下にして焼きます。
3分ほど加熱したら上下を返し、深くなっている方を下にして約5分。焼きすぎると身が固くなってしまうので注意しましょう。
殻ごと焼くので煮汁も丸ごと楽しめます。どちらも貝を開ける時に汁が滴り落ちることがあるので火傷には十分気を付けてくださいね。
ポン酢やバター醤油などで最高に美味しくいただけます。
ホタテは。貝柱をはがしにくいので、焼く前の状態で貝からはがしておくと食べやすいのでお試しあれ。
【干物の炭火焼】
干物は炭火焼でその魅力を最大限に引き出せる食材です。魚の旨味が凝縮された干物を、炭火で香ばしく焼き上げると格別の美味しさに。炭火の煙で燻されるのでさらにうまみがアップするのも素敵なところ。
保存に適した干物は、夏場でも傷んでしまう心配が少なくて持って行きやすい食材です。
栄養価も豊富な干物をぜひ炭火焼で楽しみましょう。ぜひ試してみてください!
◾️ 焼き方のポイント
網にくっつかないように、焼く前にしっかりと予熱しておきましょう。
魚の鉄則、身の面から焼き、ほんのり焦げ目がついたらひっくり返します。皮は焦げやすいので注意しながらサッと焼きましょう。
特にみりん干しは本当にすぐに焦げます。想像の5倍くらい早いと思っておいた方がいいくらい。
干物の両面に軽く焦げ目がついたら出来上がりです。
【デザートも楽しめる炭火焼】
お肉や野菜、魚介類で満足したら、次は炭火でデザートを作りましょう。
焼きマシュマロにしてスモアを作ったり、簡単にせんべいや団子を焼いたり。
バナナやリンゴをアルミホイルでくるんで、焼きバナナや焼きリンゴもおすすめ。
シナモンやチョコレートなどをかけて食べると幸せいっぱいです。
デザートを食べるころには炭火も落ち着いて、熾火がしっかりとできあがっているので作りやすいですね。
まとめ:炭火焼のコツを掴んでキャンプ飯をより美味しくいただこう
キャンプ飯では定番中の定番、バーベキュー。
ただとにかく食材を並べて焼くだけでもバーベキューですが、炭火で焼くことの効果を理解するとより美味しく食べられると思います。
仲間たちに炭火焼きのうんちくを語りながら、キャンプ飯を楽しみましょう。
色々な食材に挑戦して、バーベキューのマンネリ化も脱出できますね。