【キャンプ場スタッフ監修】今回は、ナイフや包丁を上手に研ぐ方法を種類別に解説します。砥石の選び方や、切れ味よく仕上げるためのコツもまとめました。
ナイフを研ぐときは刃の素材に合わせて砥石や研ぎ方を変えるのが失敗なく仕上げるポイントです。アウトドアシーンでは切れ味が落ちやすいナイフを上手にメンテナンスして、長持ちさせましょう。
こんにちは!有野実苑オートキャンプ場の妖精、コッフェルくんだよ!キャンプのことはなんでも聞いてね!
キャンプ用に買ったナイフの切れ味がイマイチです。新しいものに買い替えたほうがいいでしょうか?
まかせて!ナイフの切れ味が悪いなと感じたら、自分で研いでみよう!砥石とタオル、水をいれる容器があれば、初心者さんでも自分でナイフを研いでメンテナンスできるよ♪上手に仕上げるためには、ナイフの種類に合わせて砥石の硬さや研ぎ方を変えるのがポイント!今回は、ベテランキャンパーZENさんが素材別の研ぎ方とコツを紹介するから、ぜひ挑戦してみてね♪
ナイフを研ぐのは難易度が高いと思われがちです。しかし、やり方やコツを理解すれば誰でもできます。せっかく買ったアウトドアナイフを長い間使用するために理解してくださいね。
有野実苑(ありのみえん)オートキャンプ場は千葉県山武市にある緑豊かな森と農園に囲まれたキャンプ場。 関東近郊で都心から90分というアクセスのいい立地にありながら、きれいな空気と新鮮な産物に恵まれ、四季折々のキャンプを気軽にお楽しみいただけます。 木々に囲まれて区画されたサイトと、充実した設備、各種クラフト体験や収穫体験など様々なイベントをご用意し、 スタッフ一同、皆さまのお越しをお待ちしております。
有野実苑オートキャンプ場公式サイトはこちら:https://arinomi.co.jp/
※本記事はキャンプのプロ!有野実苑オートキャンプ場のスタッフをはじめ、有野実苑を愛してくださるキャンパーのみなさま・全国のキャンパーのみなさまのお声、口コミを参考に制作しています。
アウトドア用ナイフ・包丁を研ぐと切れ味が上がり使いやすくなる!
アウトドア用ナイフや包丁は、キャンプ飯やブッシュクラフトなどで頻繁に使用されるため、切れ味が落ちやすい傾向にあります。切れ味の悪いナイフは余計な力がかかり、怪我に繋がることも。
しかし、定期的に研ぐことで、その切れ味を保ち、料理やその他の作業をスムーズに行うことができますよ。
研いだナイフは食材や木材をスパッと切ることができ、時間を短縮し、力を入れずに作業できるため安全性も向上します。
ナイフのメンテナンスは面倒に感じるかもしれませんが、その効果は絶大です。日々のキャンプ生活をより快適にするためにも、ナイフの研ぎ方をマスターしましょう。
ナイフを上手に研ぐための3つのコツ
これから紹介する3つのコツを知っておけば、ナイフを上手に研ぐことができます。
①ナイフの種類によって砥石の硬さ・研ぎ方を変える
②ナイフの角度を一定に保つ
③仕上げにオイルを塗る
最初にこれだけを理解しておきましょう。
【①ナイフの種類によって砥石の硬さ・研ぎ方を変える】
ナイフには種類があり、研ぐ範囲や、砥石の硬さ、研ぎ方が違います。
素材にはステンレス、鋼、チタンがあり、性質や特徴が異なるので、研ぎ方を間違えればせっかくのナイフが台無しになってしまいます。
研ぐ範囲もナイフによって変わってきます。フラットタイプのナイフは比較的研ぎやすいですが、ホローやスカンジのグラインド(刃の断面形状)は刃の部分が狭く難易度は上がります。
また、もし刃こぼれや欠けている場合は、これがなくなるまで研ぐ必要があります。
後半に種類別の研ぎ方を解説するので、最後まで読んでみてくださいね!
【②ナイフの角度を一定に保つ】
平たい場所に砥石を置いてスタートします。
多くのアウトドアナイフは、刃の角度が20°〜25°になっているので、砥石には15°〜20°の角度を維持して刃を当ててください。
実際に研ぐときは正確に角度は測れませんが、ナイフを砥石に当てて横から見ると、ブレード(研ぐ範囲)が砥石にぴったりついている角度です。
ある程度研いだら、ナイフの刃先を指で軽くなぞってみてください。バリ(かえり)を感じることができます。これは、研ぎが進んでいる証拠です。
研いでいくうちに「かえり」が感じられたらうまく研げている証拠です!
■ナイフを研ぐときに感じる「バリ(かえり)」とは
ナイフを研ぐ際に「かえり」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。かえりとは、ナイフの刃を研いだときにできる微小なバリ(小さな突起)のことです。
このかえりは、研ぎ進めるうちにナイフの片面に現れ、研ぎの過程で刃の裏側に反り返るように感じられます。
片方にかえりができたら、ナイフを裏返して反対側を研ぎ、両面のかえりを取り除きましょう!
【③仕上げにオイルを塗る】
研ぎ終わったら、水分を丁寧に拭き取り乾燥させてください。
そして、胡桃油などの乾性油や、料理用のオリーブオイルを軽く塗り、キッチンペーパーで軽く拭き取ります。
これにより酸化(サビ)を防ぐことができます。
ナイフを研ぐ時に必要なもの
ナイフを研ぐのに必要なアイテムを紹介します。数は少なく、砥石さえあればあとは家にあるものを利用することができますよ。
【砥石】
砥石は、刃物や工具の切れ味を回復させるために使用される研磨材の一種です。刃を鋭利にするために用いられる重要な道具であり、その材質や粒度によって用途が異なります。砥石には主に天然砥石と人工砥石の2種類があります。
◾️天然砥石
自然界で採取される砥石で、主に日本では京都産のものが有名。天然素材特有の研磨力と独特の仕上がり感が特徴です。
◾️人工砥石
人工的に製造された砥石で、様々な粒度や材質のものが市販されています。均一な粒度と安定した性能が特徴で、一般的に使用されています。
砥石は、砥粒と呼ばれる研磨粒子を結合剤で固めたものです。粒度によって分類されており、研ぎの粗さが変わります。
⚪︎荒砥石(#300〜#600)
大きな欠けや傷を修正するために使用されます。刃を大きく削るため、研磨力が高いです。
⚪︎中砥石(#1000〜#3000)
刃を整えるための一般的な研ぎに使用されます。荒砥石で研いだ後の仕上げや、普段のメンテナンスに最適です。
⚪︎仕上げ砥石(#4000〜#8000)
刃を最終的に仕上げるために使用します。非常に細かい粒度で滑らかな刃を作り出してくれます。
【布巾やタオル】
砥石でナイフを研いでいると、砥石自体が滑ってやりにくくなります。そのため適度に水を拭き取るために、布巾やタオルを用意しておきましょう。あらかじめ濡らして砥石の下に敷けば作業効率はアップしますよ。
【砥石と水をいれる容器】
砥石を使用する前に、水に30分ほど漬け込むことで滑りやすくする必要があります。
そのため、砥石と水を入れることができる大きさの容器が必要です。風呂桶やバケツなどで問題ありません。
素材の種類別に解説!ナイフの研ぎ方・おすすめの砥石
素材の種類によって研ぎ方は違います。おすすめの砥石も紹介しますので参考にしてくださいね。
【準備:砥石を水につける】
まず容器に水を入れてから、砥石をつけましょう。
つけておく時間は基本30分程度ですが、砥石の種類によって給水時間が異なりますので、砥石の表記は確認してください。
【ステンレスナイフの研ぎ方とおすすめの砥石】
ステンレスナイフは研ぐ頻度が少なくても切れ味を保つことができますが、定期的に研ぐ必要があります。非常に硬いので、#1000前後の中砥石を利用すれば研ぐことが可能です。
研ぎの角度は15〜20度が一般的ですが、ナイフの種類によって調整します。均一な圧力を保ち、刃全体をムラなく研ぐことが重要です。
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【チタンナイフの研ぎ方とおすすめの砥石】
チタンナイフの研ぎ方は、ステンレスのナイフとは少し異なります。チタンは比較的柔らかい金属なので、ステンレスに比べると頻繁に研ぐ必要があります。砥石は#1000〜#3000程度の中砥石を選んでください。
研ぐときは、強い力を加えないようにしましょう。ナイフを使用したあとは、すぐに洗って乾燥させることで、錆や腐食を軽減できます。
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【鋼(はがね)ナイフの研ぎ方とおすすめの砥石】
鋼ナイフは定期的なメンテナンスが必要です。特に、高炭素鋼のナイフは錆びやすいので、使用後はしっかりと洗って乾燥させてください。
とても硬い素材なので、高度の高い#500前後の荒砥石だと短時間で効率良く研げます。高炭素鋼のナイフは、非常に鋭利に研ぐことができるので、取り扱いには注意しましょう。
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研ぎ終わったら切れ味を確認しよう!
研いだあとは、試し切りで切れ味を確認しましょう。まずは紙や新聞紙を切ってみてください。
途中で刃が止まったら研ぎが足りないので、再度研ぎましょう。
野菜を試し切りする方法もあります。トマトがスムーズに切れれば問題ないでしょう。
まとめ:ナイフを自分で研いで切れ味よくメンテナンスしてみよう!
アウトドアナイフはしっかりとメンテナンスをすれば切れ味を保つことができます。
そのためには、正しい研ぎ方をマスターしましょう。
今回紹介したコツや研ぎ方を理解し、自分で研いでみてくださいね。