【キャンプ場スタッフ監修】キャンプでは基本直火は禁止されています。しかし、直火を許可しているキャンプ場であれば焚き火を楽しむことができます。直火で焚き火をする際には、火の取り扱いに注意し、マナーやルールを守ることが重要です。
今回は、直火での焚き火を楽しむための注意点やマナー、ルールについてキャンプ場スタッフ兼キャンパーのChiiが徹底解説。
直火の焚き火のやり方や火の消し方まで安全にキャンプで焚き火を楽しむ方法をご紹介します!
こんにちは!有野実苑オートキャンプ場の妖精、コッフェルくんだよ!
キャンプのことはなんでも聞いてね!
直火で焚き火をする方法が知りたいです!フィールドを傷つけたり、迷惑はかけたくない!方法を教えてください。
まかせて!今回は、直火での焚き火のやり方、直火を楽しむための注意点やマナー、ルールについてキャンプ場スタッフ兼キャンパーのChiiが徹底解説するよ!マナーを守って楽しもうね!
有野実苑(ありのみえん)オートキャンプ場は千葉県山武市にある緑豊かな森と農園に囲まれたキャンプ場。 関東近郊で都心から90分というアクセスのいい立地にありながら、きれいな空気と新鮮な産物に恵まれ、四季折々のキャンプを気軽にお楽しみいただけます。 木々に囲まれて区画されたサイトと、充実した設備、各種クラフト体験や収穫体験など様々なイベントをご用意し、 スタッフ一同、皆さまのお越しをお待ちしております。
有野実苑オートキャンプ場公式サイトはこちら:https://arinomi.co.jp/
※本記事はキャンプのプロ!有野実苑オートキャンプ場のスタッフをはじめ、有野実苑を愛してくださるキャンパーのみなさま・全国のキャンパーのみなさまのお声、口コミを参考に制作しています。
「焚き火」と「直火の焚き火」違いとは?
焚き火と直火焚き火の違いは、地面の上に直接火を起こすかどうかです。
キャンプでの焚き火は一般的に焚き火台や焚き火シートを使用して焚き付けを行うことを意味します。
一方、直火は読んだままの通りで、焚き火台を使用せず地面の上に直接薪を置き、焚き火を行う事を意味しています。
どちらも炎を眺め楽しむことができるので、自分の好きなスタイルで焚き火をするといいですね。
ただし直火の場合は注意が必要!直火のマナーやルールをしっかり頭に入れておこう!
直火の焚き火を楽しむためのマナーやルールと注意点
最近では焚き火の様子がただただ流れるだけの動画に人気が出るほど、焚き火への注目度が高まっているのを知っていますか?
そんな焚き火の人気が高まるなか、一度は「直火の焚き火」をしてみたいと憧れるキャンパーも多いのではないでしょうか。
しかし、直火で焚火を楽しむためには、より注意や知識が必要になります。
きちんとルールやマナーを守って、安全に直火の焚火を楽しみましょう!
周りのキャンパーの迷惑にならないように楽しもうね!
【基本キャンプ場は直火禁止!直火で焚き火ができる場所を選ぶ】
キャンプ場での直火は基本的に禁止されています。
山や河原、自然公園など、自由に入って良いと思われがちな場所も誰かの所有地です。許可無く勝手に入って焚き火をする事は、法律違反になる可能性も。
焚き火への注目度が上がる中、実は直火ができるキャンプ場は減少傾向にあるのです。
なんで減っちゃったんですか?
直火が禁止とされる理由には自然保護などさまざまですが、大きな理由の1つは「ルールを守ってくれないマナーの悪いキャンパーが増えた」から。
後片付けもせず、そのまま帰ってしまうキャンパーが多発してしまったことから、直火を禁止にするキャンプ場が増えたと考えられます。
直火OKの場合にはホームページなどに表記してあることが多いので、何も書いてない場合には基本的に直火NGと思って間違いはないでしょう。
■有野実苑オートキャンプ場に「JIKABIサイト」がオープン!
有野実苑では2023年4月にオートサイトJIKABIが新しくオープンしました!
「直火で焚き火ができる所がもっと欲しい!」というたくさんのキャンパーの要望から、JIKABIは誕生。
なんとトライポッドまで付いてるんだよ!テンションあがる!
1サイトに1つ直火専用かまどが設置されており、オートサイトなので車の乗入れも可能です。
樹木で区切られた区画サイトなので、プライベート感もありgoodです。
他にも有野実苑オートキャンプ場ならソロサイト、シェッドサイトにて直火をすることができますよ。
直火可能なキャンプ場は中々ないので、挑戦してみたい方はぜひ訪れてみてください。
まだ行ったことない方は、有野実苑オートキャンプ場レポの記事もぜひ参考にしてみてくださいね!!
焚き火での事故や火災を防ぐための注意点
事故や火災を防ぐためにも、キャンプ場のルールを守ることが大切です。
とくに直火をやってみたい方は、焚き火に関する基礎知識もあらかじめ確認しておきましょう!
①芝や植物の上は避ける。落ち葉にも注意
じつは、山火事の原因の30%は焚き火だと言われています。
直火は地面に直接火を起こすので、焚き火の下や周辺の植物も一緒に燃やしてしまうことになります。
とくに落ち葉が多い時期は要注意です。落ち葉に火が移ると一瞬で広がりボヤ騒ぎになってしまいます。焚き火の周りを掃き、燃えやすいものがないように注意しましょう!
そして一見大丈夫そうな「土の上」であっても少し注意が必要です。
枯れた落ち葉が土に吸収され「腐葉土」となっている可能性があります。そんな場所は、土自体が燃えることもあるので気をつけてください。
②立木の側ではやらない
立木の近くで焚き火をすると、地面の中にのびている根っこが死んでしまいます。
根にダメージを負った木は、最終的に倒木してしまうのでたいへん危険です。最終的には事故につながらないよう伐採せざるを得なくなります。
根が浮き出ている場所で直火をするのは言語道断です。立木からなるべく離れた場所で行いましょう。
③ゴミは燃やさない
基本的に焚き火では薪や炭以外のものは燃やしてはいけません!これは直火以外にも言える焚き火のマナーです。
特にプラスチックなど有害物質が出るものは絶対やめてくださいね。
かまどは焼却炉ではありません。
周りの自然に悪影響を及ぼすのはもちろん、変な匂いや煙が出て、周りのキャンパーへも不快感を与えてしまいます。
枯れ枝や落ち葉を燃やす事はOKです。ただし完全に枯れていないものを燃やすと、残っていた水分が原因で、ものすごい煙が発生するため注意が必要です。
④風の強い日はしない
焚き火台を使用する場合も同様ですが、風の強い日はやめておきましょう。突風や思わぬ風向きの変化で、山火事などの大事故に繋がる可能性があります。
風のない日でも炎の大きさはなるべく小さくして楽しみましょう。
無理をせず、安全面を考慮して判断してくださいね。
直火の焚き火に必要な道具(ギア)は?
【マストアイテム】
薪や炭、着火剤、チャッカマン、火ばさみ、耐熱グローブ、火消壺、スコップ 【あると便利な焚き火道具】
火吹き棒、厚手のアルミホイル、バーナー、なた、ナイフ、斧
直火に必要なギアは、基本的な焚き火の時とほぼ一緒です。
その中でも必ず揃えて欲しいギアは、火消壺とスコップです。
「後始末しなくてもいいんじゃないの?」と思われがちな直火ですが、直火だからこそ片付けはきちんと行わなければなりません。
薪の下に厚手のアルミホイルを敷くことで、後片付けが格段に楽になりますよ!
後片付けの方法もこのあと紹介するね!
直火焚き火の火起こし方法
まずは、焚き火をする場所を決めます。
焚き火の周りに燃えやすい物がないよう、地面を整えましょう。
周りに大きな石があれば、かまどを作れるとなおよいです。かまどは風除けになり、燃焼効率もUPします。
サイトにかまどが設置されている場合は、その中で行いましょう。
厚手のアルミホイルがあれば、地面に敷いておくと、後片付けが楽になるよ!
焚き火の場所が決まったら、薪を組んでいきます。
組み方は色々ありますが、今回はティピー型(合掌型)と呼ばれる方法で作ってみました。
完全なティピー型ではありませんが、焚き火を想像した時に、誰もが思い浮かべるザ・タキビという形だと思います!
ティピー型は幅の狭い焚き火台では組みにくいですが、地面の上だと比較的簡単に組めると思いますよ。
後は真ん中に火をつけた着火剤を入れ、薪に火が移ればOK。
文明の利器に頼らず火を起こしたい方は、ファイヤースターターやフェザースティックなども挑戦してみてください。
落ちている枝を使う場合にはしっかり乾燥しているものを探してください。
枝を折って、パキッとした音が鳴ればOKです。
湿ったままの枝を燃やすと、煙が多くて大変な事になります!
直火焚き火の火消し方法
火の消し方にも、もちろんマナーがあります。
ガンガン燃やして最後は水かけて終わり!なんてやり方は絶対やってはいけません!!
焚き火の正しい消し方は、「灰になるまで燃やしきること」です。
薪や炭が完全燃焼して灰になれば、それ以上燃えることはありません。
これが一番理想的な火の消し方だよ!
天候にもよりますが、燃え尽きるまでは2〜3時間程度かかります。撤収時間に合わせて、薪を投入し終えるタイミングを調整しましょう。
しかし燃やし切れなかったり、すぐに鎮火しないといけない場面もあると思います。
そんな時は、火消壺に入れ蓋をし鎮火させる。または、バケツに水を張り薪を1本ずつ水に漬けて鎮火させます。
そして最後に大切なことは、地面(かまど)に残った灰をきちんとスコップですくい回収すること。
灰は火消壺に入れたり、完全に冷めていればアルミホイルなどに包んで持ち帰りましょう。
帰宅後は地域の指定に従って処分してください。
灰処理が可能なキャンプ場ならば、灰捨て場へ持って行き処理してもらいます。
燃え残りの薪や炭は、産業廃棄物の扱いになり基本的に回収してもらえません。
きちんと灰になるまで燃やし切ってから捨てましょう。どうしても困ったときはキャンプ場に相談してみてください。
【火消し時に絶対やってはいけないこと】
- 焚き火に水や土をかけない。
- 燃え残りや灰をそのままにしない。
- 灰を土の中に埋めない。
土に埋めたり、砂をかぶせたりする行為もNGです。
頑張って燃やし切ろうと、着火剤を大量に投入するのは危険なのでやめてくださいね。
火が鎮火していないまま放置したり、燃え残りを置いて帰るのはマナー違反、かつ危険です。
来た時よりキレイにする気持ちで、後始末はきっちり行ってくださいね!
キャンプの醍醐味!直火の魅力とは?
焚き火の炎に魅せられる方は多いですよね!
とくに直火に憧れるキャンパーは少なくないはず。
直火は、焚き火台を使う焚き火とはひと味違った炎を楽しむことができます。
【直火の暖かさや音・香り】
直火は地面の上で直接火を起こすので、足元からも熱が伝わり、ノーマルの焚き火よりも暖かさを感じることができます。
焚き火台は地面を守るためにある程度の高さがあるので、その分地面から炎が離れてしまいますよね。
足元からの熱を感じられるのは直火ならではです。
あらかじめ、石やレンガで直火用かまどを作ってあるキャンプ場もあります。
地面からの熱が伝わる分、周りの石自体もかなり熱くなります。うっかり手を付いてしまったり、火傷やケガには十分気を付けてください!
そして直火の場合には、焚き火台にくらべて炎が真っ直ぐ立ちやすいという特徴があります。
キャンプファイヤーでお馴染みの井桁型(ログキャビン型)や、スウェーデントーチなども直火ならではの楽しみ方です。
燃やす薪の種類によって異なりますが、パチパチと爆ぜる音にも聞こえ方の違いがあるかもしれませんね。
【直火で過ごす時間の贅沢さ】
炎には『1/fゆらぎ』と呼ばれる癒し効果があるのをご存じですか?
1/fゆらぎとは、パワー(スペクトル密度)が周波数fに反比例するゆらぎのことで、人間が一番心地よく感じられるのが「1/f」の「ゆらぎ」だそうです。
リラックスに深くかかわるもので、1/fのゆらぎは私たちの身体がもつ生体リズムと同じリズムであるため、心地よさや癒し感を与えてくれるのです。
雨や波の音、小鳥のさえずりなどもそうだよ!
焚き火を見ているだけで癒しを感じるのは、炎のゆらぎが五感を通して生体リズムと共鳴しているからなのです。
直火で焚き火をすることで、より自然を感じることができ、ワイルドさも感じられます。
そして、気が付いたらみんな焚き火の周りに集まっていませんか?
焚き火を囲んで仲間と語り合う。
スマートフォンで簡単に連絡を取れてしまうこんな時代だからこそ、焚き火ひとつでかけがえのない贅沢な時間になりますよ。
焚き火のリラックス効果で心も解放され、普段は言えない深~い話だってできるかもしれませんね。
まとめ:マナーを守って直火を楽しもう!
とっても魅力的な直火の焚き火!
しかしルールやマナーを軽視すれば、想定外の大事故に繋がる危険性もあります。キャンプ場のルールに従って、安全に楽しく、ワイルドな焚き火を楽しみましょう!