【キャンプ場スタッフ監修】春夏のアウトドアシーズンになると気になるのがブヨ(ブユ)の被害。
キャンプ中、痛痒い思いをしたキャンパーの方は多いのではないでしょうか?
快適なアウトドアライフのためにも、実際にブヨに刺されたらどう対処するのが効果的なのか、その注意点や対処法、ブヨにおすすめの虫除け対策などをあわせて紹介します!
こんにちは!有野実苑オートキャンプ場の妖精、コッフェルくんだよ!
キャンプのことはなんでも聞いてね!
これからの季節、キャンプでブヨに刺されたときの対処法を教えてください!予防方法もありますか?
まかせて!ブヨ(ブユ)は蚊と同じ吸血虫で蚊よりも痛み、かゆみ、腫れなどが強くでる傾向があるよ。今回はキャンプ中にブヨに刺されたときに役立つ対処法や予防策を年間40泊〜50泊以上のベテランキャンパー沖野隆さんに紹介してもらうね♪
キャンパーなら一度は刺された経験があるブヨの虫刺され。幾度なく刺されてきた筆者が、処置や対策を教えます。
有野実苑(ありのみえん)オートキャンプ場は千葉県山武市にある緑豊かな森と農園に囲まれたキャンプ場。 関東近郊で都心から90分というアクセスのいい立地にありながら、きれいな空気と新鮮な産物に恵まれ、四季折々のキャンプを気軽にお楽しみいただけます。 木々に囲まれて区画されたサイトと、充実した設備、各種クラフト体験や収穫体験など様々なイベントをご用意し、 スタッフ一同、皆さまのお越しをお待ちしております。
有野実苑オートキャンプ場公式サイトはこちら:https://arinomi.co.jp/
※本記事はキャンプのプロ!有野実苑オートキャンプ場のスタッフをはじめ、有野実苑を愛してくださるキャンパーのみなさま・全国のキャンパーのみなさまのお声、口コミを参考に制作しています。
ブヨの正式名称はブユ!どんな虫?刺されたあとの副作用は?
暖かくなる春はキャンプに最適なシーズン。「春になったからそろそろキャンプに行こう」「春からキャンプデビュー」と思っている方も多いでしょう。
しかし、春はキャンパーが活発になるのと同時に虫たちの活動も活発になります。なかでも注意したいのがブヨの存在。
ちなみに「ブヨ」の正式名称は「ブユ」といいます。地方によって呼び方が異なり、「ブト」と呼ばれることもあるようです。
ブヨに刺されると痛みやかゆみをともなうため、せっかくのキャンプが台無しになりかねません。そのためキャンプでのブヨ対策は必須です。
今回はブヨに刺されたときの対処法やブヨ対策など、ブヨに関して詳しく説明していきます。
【ブヨの生態や習性】
ブヨは、体長2mm〜5mm程度のコバエのような見た目をしています。蚊と同じ吸血性の虫ですが、蚊との大きな違いは血の吸い方と毒性の強さ。
蚊は針のような口で血を吸いますが、ブヨはノコギリのような口で皮膚を噛み切って流れた血を吸います。
また皮膚を噛み切った際に、蚊よりも強い毒素を持った唾液が注入されるため、患部に強い痛みやかゆみをともなうのが特徴です。
刺されるとすごい痛いんだよね!蚊よりもタチが悪いね……
【ブヨの生息地・刺されやすい時期】
ブヨは、繁殖期になる春から夏(3月頃〜9月頃)にかけて活発に活動します。夏は気温の低い朝夕しか活動しませんが、曇りや雨など湿度が高く気温が低い日には一日中活動することもあるんです。
ブヨの幼虫は水のキレイな渓流に多く、成虫は渓流の近くや山間部で生息するため、キャンプ場はブヨにとって最適な生活場所になっています。ブヨが大量発生する場所もあるので被害を最小限にするためにも予防と対策はしっかりと練っていきましょう。
また、幼虫は水のキレイな場所でしか生きられませんが、最近では都心部の水質が改善されたため、公園や住宅街での被害があるとの報告もあります。注意が必要です。
【ブヨはなぜ人間を刺すの?刺されたあとの副作用】
ブヨは、産卵時のメスが産卵に必要な栄養を補給するために人を刺し、血を吸います。
刺された直後はあまり痛みやかゆみを感じませんが、時間の経過とともに患部が赤く腫れ上がってきて一気に症状が襲ってきます。
通常であれば数日〜2週間程度で症状は収まりますが、体質によりアレルギーが発症し完治までに数ヶ月以上かかることも。酷い場合は水膨れや発熱を起こし、適切な処置と治療をすばやく行うことが大切となります。
手足が刺されたからといっても、さすがに切断するまでの大惨事になることは想像しがたいけど、症状が重いと病院に行く必要があることも。
ブヨに刺されたらどうなる?対処法を覚えておこう
ブヨに刺されているときは自覚症状がなく、刺されてから数時間後に症状が出てくることがほとんどです。腫れやかゆみは時間の経過とともに酷くなるため、刺されたことに気づいたらすぐに処置することで症状の悪化を防げます。
ブヨに刺されてしまったときの対処方法を見ていきましょう。
【気づいたらすぐ!ポイズンリムーバーで毒を吸い出す】
刺されたことに気づいたら、すぐにポイズンリムーバーで毒素を吸い出しましょう。
刺されてから2分以内に吸い出すのが理想ですが、発見後とにかく早い段階で吸い出すのがポイント。血に混じった透明な液体(毒素)が出なくなるまでしっかりと吸い出しましょう。
ポイズンリムーバーがない場合は、指で絞り出すのも有効です。
【患部にあまり触れないようにして洗い流す】
患部を水で洗い流すのも重要な対処方法の1つです。傷口についたブヨの唾液をキレイに流すことで、症状の悪化を防ぎます。
キャンプでは水道が近くにない場合もあるので、ウォータージャグやペットボトルに水を入れておくと便利でしょう。
【かゆくても絶対にかかないように意識する】
ブヨに刺されると激しいかゆみに襲われますが、なるべく掻かないように我慢しましょう。
掻いてしまうと、かゆみが増すだけでなく傷口から菌が入り化膿する恐れがあります。
患部を温めてかゆみを緩和する「かゆみ止めペン」があると、助かりますよ。
【ブヨに刺されたあとに温める?それとも冷やす?】
ブヨに刺されたとき温めるのか冷やすのか、どちらが正解でしょうか?
答えは、どちらも正解です。
刺された直後は毒を中和させるために温める、時間がたっても腫れやかゆみが引かない場合は冷やすのが効果的とされています。
温めるときは43度以上のお湯で、冷やすときは保冷剤や氷を使うといいでしょう。
【ステロイド配合の薬を塗布して様子をみる】
ブヨに刺されると炎症や腫れの症状がでるため、ステロイド配合の薬が有効と言われています。
ステロイド配合の薬の強さは、ストロング(強)・ミディアム(中)・ウィーク(弱)の3ランクあり、大人はストロングかミディアム、子供はウィークを使うのがいいでしょう。
また、ステロイドに加えてかゆみ止め成分が配合されたタイプもあるため、筆者はこちらが断然おすすめです。
【色々試しても長期間かゆみや痛み、腫れが引かない場合はすぐに病院へ!】
適切な処置をしても痛みやかゆみが引かなかったり、症状が改善されなかったりした場合は、すぐに病院に行き医師の指示に従いましょう。
くれぐれも、無理はしないことです。
ブヨが寄り付かないように!ブヨにおすすめの虫除け対策
適切な処置をするのは大切ですが、一番はブヨに刺されないこと。万全の対策をしてキャンプにいどみましょう。
【①長袖長ズボンを心がける】
一番のブヨ対策は、肌を露出しないことです。
ブヨに刺されるのは足元や腕が多いため、なるべく長袖長ズボンで肌の露出を減らしましょう。特に動きが活発になる朝夕は注意が必要です。
また、ブヨは黒や紺など暗い色に寄ってくる習性があるため、黄色やピンクなどの明るい色の服を着るのも効果があります。
【②虫除けスプレーをこまめにしっかりつける】
夏や蒸し暑い時期は、肌の露出は避けられません。
そんなときは露出部分に虫除けスプレーをつけるのも有効です。スプレーには有効持続時間があり水遊びなどをすると流れ落ちるため、まめにつけるようにしましょう。
また、虫除けスプレーを使うときは必ずブヨに効果があるものを使用してください。
【③森林香などの虫除けグッズを使う】
サイトにブヨが近づかないようにする対策も大切です。
蚊取り線香やヤブ蚊バリアは、蚊には効果がありますがブヨには効果がないため、パワー森林香を使うのがおすすめ。
パワー森林香に使われている「メトフルトリン」という成分は、アブやブヨはもちろん、蚊にも効果が期待できます。
【④ハッカ油を使った自作スプレーもおすすめ】
虫除けスプレーが苦手という方にはハッカ油スプレーがおすすめ。ブヨはハッカ(ミント)の匂いが嫌いなため、ブヨの虫除け対策に有効です。
他にもハッカ油には虫除け効果だけでなく、抗菌・防臭効果、リラックス効果などがあり、さまざまな場面で使用できます。
また、ハッカ油スプレーは簡単に自作できるので挑戦してみてはいかがでしょうか?
【⑤トンボが天敵!?】
ブヨやアブは、トンボのオニヤンマが天敵といわれています。
そこで、オニヤンマそっくりなアイテム「おにやんま君」を身に着けるのも効果あり。ブヨを寄せつけたくない部分におにやんま君をつけるだけでブヨ対策になるので、とっても簡単です。
まとめ:キャンプでブヨに刺されないためにもしっかりと予防対策をしていこう
ブヨに刺されると、思った以上の痛みやかゆみに襲われます。
ときにはあまりの痛がゆさにキャンプどころではなくなり、撤収せざるを得ないということも。
また、完治まで数週間かかることもあり、次回のキャンプまでに治らないなんてこともあるかもしれません。
せっかくのキャンプを台無しにしないためにも、万全のブヨ対策をしてキャンプに臨みましょう。