【キャンプ場スタッフ監修】キャンプでの熊対策について解説します。
今回、年間50泊以上のガチキャンパー沖野隆さんが、事前に注意しておきたいことや、万が一クマに遭遇した時の行動、持っておきたい熊よけグッズをまとめました。
クマ被害を防ぐ一番の方法は、クマとの遭遇を避けることです。
事前に出没情報を確認しておきましょう。
こんにちは!有野実苑オートキャンプ場の妖精、コッフェルくんだよ!
キャンプのことはなんでも聞いてね!
最近熊の被害をニュースでよく見ます。キャンプでも熊対策したほうが良いでしょうか?
任せて!熊被害を防ぐには、クマに遭遇しないことが1番効果的!キャンプでも注意するに越したことはないね。事前にできる対策や、持っておくと役立つクマよけグッズを紹介するよ!
最近、日本では熊被害が多発しています。キャンパーも熊対策をしなくてならないですね。
有野実苑(ありのみえん)オートキャンプ場は千葉県山武市にある緑豊かな森と農園に囲まれたキャンプ場。 関東近郊で都心から90分というアクセスのいい立地にありながら、きれいな空気と新鮮な産物に恵まれ、四季折々のキャンプを気軽にお楽しみいただけます。 木々に囲まれて区画されたサイトと、充実した設備、各種クラフト体験や収穫体験など様々なイベントをご用意し、 スタッフ一同、皆さまのお越しをお待ちしております。
有野実苑オートキャンプ場公式サイトはこちら:https://arinomi.co.jp/
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※本記事はキャンプのプロ!有野実苑オートキャンプ場のスタッフをはじめ、有野実苑を愛してくださるキャンパーのみなさま・全国のキャンパーのみなさまのお声、口コミを参考に制作しています。
キャンプでも注意したいクマの被害
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最近、熊被害のニュースをよく耳にします。住宅街での目撃情報も多数あり、他人事ではなくなってきました。
2020年には、長野県のキャンプ場で女性がクマに襲われる事件が発生しています。
山間部に住む方や登山を楽しむ方は熊対策をしていますが、われわれキャンパーも安心してキャンプを楽しむためにも、熊対策は必須となってきました。
今回は、「クマに遭遇しないためには?」「万が一クマに遭遇してしまった場合は?」など、まずは知っておきたい熊対策の知識をご紹介します。
手軽にできるクマ対策グッズも紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。
クマに遭遇しないために注意すべきこと
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まずやっておきたいことは、クマに遭遇しないための熊対策。
クマの行動や習性を知り、「クマに近づかない」「クマを近づけない」ことが大切です。
クマに遭遇しないために注意すべきことをチェックしましょう。
【クマの活動時間・行動や習性を知っておく】
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日本には、本州・四国にツキノワグマ、北海道にヒグマが生息しています。
九州にもツキノワグマが生息していましたが、2012年環境省より絶滅が宣言されました。
クマは、北海道の55%、本州の45%の地域に生息してるといわれています。
日本は国土の67%が森林のため(※)、山間部のキャンプ場でクマと遭遇するのは、もはや他人事ではありません。(※参考:農林水産省)
クマと遭遇しないためにも、クマの習性を知ることが大切です。
■クマの活動時期や時間
クマは、11月下旬から12月頃に冬眠に入り、3月〜5月頃まで冬眠します。冬眠明けの春から秋にかけて活動が活発になります。
クマの主な活動時間は、朝夕にくわえ、日の出前・日の入り後のうっすらと日がさしている時間です。天気が悪く薄暗い日は、昼間も行動します。
■クマの行動や習性
クマの特徴といえば、大きな体に鋭い爪、走る速さは時速40km以上。
この特徴からは凶暴なイメージを持ちますが、実はクマは用心深く臆病な性格をしています。人の気配を感じると、自ら人間を避け遠ざかってきます。
また、クマは植物食中心の雑食性。人間を捕食するために襲うことは、ほとんどないとされています。
では、なぜクマは凶暴になり人を襲うのでしょうか?
理由は以下のとおりです。
- 母グマが子グマを守ろうとするとき
- 自分の餌や獲物を横取りされそうになったとき
- 人間が攻撃してきたと思ったとき
このような理由から、クマは人間を襲います。
いずれも、クマに敵だと認識されてしまったときだといえるでしょう。
【クマの出没情報をチェックしておく】
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利用するキャンプ場周辺の、クマ出没情報をチェックしておきましょう。
事前にキャンプ場の公式HPや電話で確認できます。キャンプ場によっては、クマが出没したことにより一時的にクローズすることも。どのような熊対策をしてるのかも、チェックしておくとよいですね。
その他にも、キャンプ場がある自治体のHPなどでも情報を公開している場合があります。
過去の出没情報や、キャンプ場内だけでなく近隣での出没情報など、なるべく細かく把握しておくとよいでしょう。
【音で自分の存在を知らせる】
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クマは、人の気配を感じると自ら遠ざかっていきます。この習性を利用し、音でクマに自分の存在を知らせるのも効果的です。
ラジオやポータブルスピーカーを使って音を出せば、クマも人間の存在に気づきます。
クマは聴覚が優れているため、小さな音力でも効果があります。周りのキャンパーさんに迷惑がかからない程度の音量で使用しましょう。
また、熊避けベルも手軽にできる熊対策として有効です。トイレにいくときなど、サイトを離れる際には携帯しておくとよいでしょう。
東京ベル(TOKYO BELL) TB-K1 BEAR BELL 森の鈴
【飲食後の片付けを徹底する】
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クマは、聴覚だけでなく嗅覚も非常にすぐれています。
くれぐれも、サイト内に食料を放置しないようにしましょう。
食べ残した食料は密閉性の高い袋に入れ、匂いがもれないクーラーボックスなどに入れます。使い終わった食器も拭き取る程度ではなく、炊事場できちんと洗いましょう。
また、キャンプ場によっては食糧の保管や処理に関しての指示がある場合もあります。指示に従い、適切に対応してください。
万が一クマに遭遇しても慌てない!取るべき行動
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万が一クマに遭遇してしまったら、どのように対処すればよいのでしょうか?
遭遇したときのクマとの距離で対処法がかわってきます。基本的な対処法をまとめたので、参考にしてください。
どの距離であっても、熊に遭遇した場合は安全な場所に移動してから警察へ110番通報しましょう。
【遠距離でクマに遭遇した場合】
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遠距離でクマに遭遇した場合は、まずは落ち着いて、その場から静かに立ち去りましょう。
クマが人の気配に気付いた場合は、隠れる・逃走することがほとんどです。急に動いたり大声を出したりすると、クマが驚き何をするかわかりません。
あせらず落ち着いて、行動しましょう。
【近距離でクマに遭遇した場合】
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もしあなたが熊に近くで遭遇しても、まずは落ち着くことが大切です。
クマが人に気がつき向かってくることがありますが、これは攻撃ではなく、威嚇突進(ブラフチャージ)です。
威嚇突進は、すぐに立ち止まって引き返すというような行動を見せると、やがてクマが立ち去っていきます。あわてず、クマとの距離をとることが大切です。
また、クマは逃走する対象を追いかける傾向があります。そのため、クマを見ながらゆっくり後退し、徐々にクマとの距離をとるようにしましょう。
くれぐれも、背中を見せて慌てて逃げ出してはいけません。
【至近距離でクマに遭遇した場合】
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もし至近距離でクマと遭遇した場合は、クマによる直接攻撃など過激な反応を起こす可能性が高くなります。
クマは、上腕で引っ掻く、噛み付くなどの攻撃的な行動をとりますが、攻撃を完全に回避する方法はありません。
まずは、両腕で顔や頭部を覆いうつ伏せになるなどして、致命的なダメージを受けないようにすることが重要です。
他の対処方法としては、クマ撃退スプレーが有効。クマに向かって噴射することで攻撃を回避できる可能性が高くなります。
至近距離の遭遇はぜったいに体験したくないですね!
キャンプに持っていきたいクマ対策グッズおすすめ5選
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キャンプで熊に遭遇しないことが一番ですが、熊が出ると情報があるエリアにキャンプにいく場合は、万が一のために熊よけグッズを用意しておきましょう。
【東京ベル(TOKYO BELL) TB-K1 BEAR BELL 森の鈴】
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消音機能付きの、クマ避けベルです。
ベルを鳴らしたくないときは、下に引っ張ってロックするだけで消音できます。
トイレに行くときや散歩に出かけるときにはベルをON、サイト内での食事中などにはベルはOFF。ワンタッチで切り替えができるので、とても便利です。
必要なときだけONにできるので、つねに身につけておいても邪魔になりませんね。
【冒険倶楽部(BOHKEN CLUB)】
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澄み渡る高音が心地よい、クマ避けベルです。
シンプルで無骨なデザインが、キャンプとの相性もGOOD。大きく高い音が遠くまで響き、自分の存在をクマに知らせます。
コスパが良く、手軽にできる熊対策としておすすめです。
【ATHNOUS(アスナス) 電子ホイッスル】
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大音量で自分の居場所を知らせる、電子ホイッスルです。
コンパクトでスリム、超軽量なので、携帯性は抜群。LEDライト付きなのも、うれしいポイントです。
熊対策だけでなく、ハイキングで迷子になったときや転倒して怪我をしてしまったときなど、緊急事態が発生したときにも重宝するアイテムです。
【ラングスジャパン 熊撃退スプレー ホルダーケース付き】
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緊急時に使用する、熊撃退スプレー。クマが至近距離まで接近したときの、最終手段として使います。
クマに向けて噴射することで、攻撃を回避できる可能性が高くなります。
噴射距離は7〜8mほど。このスプレーを使うような場面に出会したくありませんが、護身用として携帯してもいいかもしれません。
【POLICE MAGNUM 熊撃退スプレー 中型】
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国公立機関や地方自治体が正式採用している、熊撃退スプレーです。
ホルスター付きなので、ベルト通しなどに付けて持ち運べます。
猪や猿などの野生動物にも対応。本格的な登山や野営をする方向けの商品です。
クマは遭遇しないことが1番!安全にアウトドアを楽しもう
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自然を相手に楽しむキャンプでは、自分の身を守るために熊対策は必須です。
しかし、もともと自然にいたのはクマをはじめとする野生動物たちです。キャンパーは、野生動物たちの住処にお邪魔していることを忘れてはいけません。
クマは本来臆病で、人に危害を加えることはほとんどないとされています。クマが問題行動を起こすときは、人間にも問題があることを覚えておきましょう。
まずはクマと遭遇しないことが一番!
遊び半分で熊が出る場所に行く人はいないと思いますが、出没情報をチェックするなど遭遇しない対策からおこなって下さい。
クマに対する正しい知識を身につけ、楽しいキャンプにしてくださいね。