【キャンプ場スタッフ監修】最近いろいろな場所で見聞きする「SDGs(持続可能な開発目標)」。実はこの中に環境に対する目標が3つあることをご存じですか?
キャンプの主な目的は、自然の中で自然を楽しみながら過ごすことです。
そのため、キャンプをする中でエコを心がけるのはとても大切なこと。できるだけプラスチックの製品を使わない、使い捨てタイプの商品ではなく使い続けられるものを使うといったことだけでも十分エコに貢献します。
今回はキャンプ中にできるエコテクニックや、おすすめのエコ商品をキャンプ歴10年以上のベテランキャンパーATSUさんに紹介していただきます!
こんにちは!有野実苑オートキャンプ場の妖精、コッフェルくんだよ!
キャンプのことはなんでも聞いてね!
最近エコやSDGsについてよく耳にするんですが、環境に対してキャンプでできることはありますか?どんなエコ商品があるのかも知りたいです!
エコ商品は意外といろいろな面ででていて、ギアでも消耗品でもちょっと意識を変えるだけで環境に優しくキャンプを楽しむことが可能だよ♪エコやSDGs、おすすめのエコ商品をキャンプ歴10年以上のベテランキャンパーATSUさんがまとめて紹介してくれるよ!
自然を大切に、エコを意識したキャンパーを目指しましょう!
有野実苑(ありのみえん)オートキャンプ場は千葉県山武市にある緑豊かな森と農園に囲まれたキャンプ場。 関東近郊で都心から90分というアクセスのいい立地にありながら、きれいな空気と新鮮な産物に恵まれ、四季折々のキャンプを気軽にお楽しみいただけます。 木々に囲まれて区画されたサイトと、充実した設備、各種クラフト体験や収穫体験など様々なイベントをご用意し、 スタッフ一同、皆さまのお越しをお待ちしております。
有野実苑オートキャンプ場公式サイトはこちら:https://arinomi.co.jp/
※本記事はキャンプのプロ!有野実苑オートキャンプ場のスタッフをはじめ、有野実苑を愛してくださるキャンパーのみなさま・全国のキャンパーのみなさまのお声、口コミを参考に制作しています。
SDGsって何?エコキャンプとSDGsの関係性
「SDGs」という言葉をよく耳にするようになりました。
「SDGs(エスディージーズ)」とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称のことを指します。
なんとなく、環境問題のことを言っているんだろうとは分かる。けれど具体的にはどういうことか、と言われるとはっきりとは答えられず今更人に聞けないな……という人も多いのではないでしょうか。
テクノロジーの発展で、生活はどんどん便利になりました。
しかし、生活が便利である一方で、環境はどんどん破壊され気候変動が起こり、感染症、人々が紛争をし、貧困、差別も今この地球上でなお生まれています。
このままでは地球が持たない!みんなで何とかしよう!と、2015年9月、150カ国以上の世界中の国や企業が一丸となって17の目標をたてました。
それが「SDGs」です。
つまり、SDGsは、「世界中のみんなが安心して地球で暮らし続けられるための目標」ということになります。
では実際SDGsとキャンプの関係性は何か考えてみましょう。SDGsの17の目標の中に、自然環境に注目した目標が3つあります。
- 目標13、気候変動に具体的な対策を
- 目標14、海の豊かさを守ろう
- 目標15 陸の豊かさを守ろう
この3つの目標を達成するために、私たち一人ひとりが出来る事。
それは、環境に優しい生活や活動をすること。
つまり、キャンパーひとりひとりがエコなキャンプを心掛けることで、地球を守っていくことに繋がります。
エコキャンプとは?
エコキャンプとは、環境や自然に配慮したキャンプで、環境教育や自然体験を目的とするキャンプのことです。
キャンプでは、自然を直接肌で感じる事が出来ます。
SDGsの目標14、15の「海・陸の豊かさを守ろう」という目標はなんとなくイメージできるかもしれません。
目標13「気候変動に具体的な対策を」これは気候変動の原因となっている地球温暖化に対する対策のことです。
平均気温が上がることで海面の水位が上昇したり絶滅する動植物が出てきたり、穀物の収穫量が大幅に減ってしまったりとあらゆる生態系へ悪影響があり自然界のバランスが崩れてきています。
また、気候変動によって住まいや食べるものがなくなり仕事もないなど貧困へ繋がる可能性も。私たち人間への生活へも大きく影響があります。
そうした気候変動の原因となる地球温暖化をくい止めるため、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を減らす取り組み、例えばプラスチックゴミをなくす、自然に配慮した洗剤を使うなどがキャンプでも簡単に取り組める対策でしょう。
少しの工夫で、子どもから大人まで誰でも実践することができるエコキャンプは、キャンプという楽しいレジャーの中で環境とのかかわり方を勉強できる絶好のチャンスになるのではないでしょうか。
自分1人が意識しても仕方がないと思う人もいるかもしれません。
しかし小さなことですが、ひとりひとりがエコや環境問題を意識するだけでも必ず未来につながります。
エコキャンプでは大きなことをしようとしなくていいんです。小さなエコを積み重ねて地球をみんなで守っていきましょう。
次回からやってみよう!エコキャンプを実践
では早速エコキャンプを実践してみましょう。
環境に優しいキャンプをするためには、どんなことに気をつけるとよいでしょうか。
木々や草木を大切にする!
河川や土壌を汚さない!
色々ありますね!
エコキャンプの具体的な実践方法を11項目ご紹介します。
- ①キャンプ場では決められた道を使う
- ②食事で使う火やお湯などの取り扱いに気をつける
- ③キャンプ飯の残飯をできるだけださないように量を考える
- ④食事後の片づけ時にひと工夫を
- ⑤焚き火をする際は焚き火シートや台を使う
- ⑥着火剤を手作りしてみる
- ⑦残った炭は再利用
- ⑧使い捨て商品はできるだけ使用せず再利用アイテムを使う
- ⑨余計なゴミはださない
- ⑩ソーラー製のものを使って燃料をおさえる
- ⑪その他エコ商品を積極的に使う
【①キャンプ場では決められた道を使う】
キャンプ場では、トイレに行ったり、炊事棟に行ったり、キャンプ場の中で、移動をたくさんします。その時には、必ず決められた道を通りましょう。
斜めに横切った方が早い!と、通り道以外を通ると、そこにある自然の草木を踏み荒らしてしまうことになります。
キャンプ場では、必ず決められた道を通りましょう。
【②食事で使う火やお湯などの取り扱いに気をつける】
キャンプでは火の取り扱いには気をつけましょう。
炭をそのまま捨てたり、直火で焚き火をしてフィールドを焦がしてしまったりと環境にダメージを与えてしまうことも。
とはいえ、キャンプで火の取り扱いには細心の注意を払っているキャンパーは多く、フィールドの芝生や地面にダメージを与えないために、直火でせず、焚き火台や焚き火シートを使用することは、キャンパーたちの間ではずいぶん浸透していますね。
しかし、うっかりやってしまいがちなのが、余ったお湯を辺りに撒いて捨ててしまう行為です。
沸かしたお湯が余ってしまった場合、ついついその場に撒いたりしてないですか?
熱湯は植物にとって天敵です。自然環境で、熱湯が地面に撒かれることなんてありません。
焚き火だけでなく、お湯もフィールドに大きなダメージを与えてしまうので、必ず水場まで捨てに行きましょう。
【③キャンプ飯の残飯をできるだけださないように量を考える】
キャンプ場で、調理をしていると思いのほかゴミが出てしまいます。なるべくゴミを少なくするために、残飯は残さないように、量を考えて作りましょう。
また、出発前に野菜などの下準備をしていくことで、生ごみの量は大幅に抑えられます。
気をつけたいのがラーメンや鍋の汁物は油をたくさん含んでいるものも。
自然の中にあるキャンプ場では浄水設備がないキャンプ場がほとんど。炊事場やシャワー室の排水を簡単な濾過装置に通してそのまま川や海に排水している場合もあります。
油たっぷりのスープが自然に流れていかないためにも、スープを固める凝固剤や片栗粉を使って燃えるゴミとして捨てるのも一つです。新聞紙に吸わせてもいいですね。
残飯を出さないことは、SDGsの「目標2:飢餓をゼロに」にもつながります。
■紀陽除虫菊 残った麺スープ 固めてポン
【④食事後の片づけ時にひと工夫を】
先ほども伝えましたが、浄水設備の整っていないキャンプ場では、排水がそのまま周辺の河川や土壌に流れてしまいます。
食事後の食器洗いには必ずエコ洗剤を使用しましょう。
食事後の片付けも工夫が必要です。お皿やフライパンに付いた汚れは、まずは布や新聞紙でふき取ってから洗うことで、水の使用量も抑えられ、洗剤も少量で済みます。
アルカリ電解水のスプレーをしてからふき取ると、油汚れが分解されるため、使う布や新聞紙も少なくて済みます。
また、1泊2日くらいのキャンプだと、使用した食器は簡単に拭いて全て自宅に持ち帰り、洗うという手もあります。
■油取りふきん 1枚入 KHN11
■朝光テープ びわこふきん 白
■グリーンモーション 日本製 エコ 洗剤 マルチクリーナー スプレー 200ml
【⑤焚き火をする際は焚き火シートや台を使う】
キャンプの醍醐味、焚き火をする際にも注意が必要です。
焚き火をしていて風が強くなった場合、近くに木々があれば燃え移ってしまう可能性があります。
風が強い場合は焚き火をするべきではありませんが、もし、急に風が吹いても大丈夫なように、木のそばは選ばないようにしましょう。
そして、地面の燃えやすいものを払いのけ焚き火シート、焚き火台は必ず使います。
このようにすることで、フィールドにダメージを与えずに焚き火を楽しむことが出来ますね。
■コールマン(Coleman) 焚火台 ファイアーディスク
■CARBABY 焚き火シート スパッタシート
■MOON LENCE キャンプテーブル アウトドアテーブル 折りたたみ アルミ製 コンパクト 超軽量 耐熱
■エコ着火剤 1箱約50個入 環境配慮の着火剤 バーベキュー 焚き火 薪ストーブ キャンプ WB050
【⑥着火剤を手作りしてみる】
着火剤を手作りしてみるのもおすすめです。
薪を使ってフェザースティックを作ってみたり、再生紙や新聞紙を使ってペーパーログ(紙薪)を作るのもおすすめです。
おうちにコットンとワセリンがあるなら、ワセリンコットンを作るのもよく燃えるのでおすすめですよ!
着火剤も、今あるもので積極的にリサイクルしてみましょう。
【⑦残った炭は再利用】
火が消え、使用済みの炭や余った炭の再利用方法をご紹介します。
しっかり乾燥させて、炭として再利用する
しっかりと乾燥させてある消し炭は、着火しやすいので、炭として再利用できます。
消臭剤として利用する。
消臭剤として炭が利用されているのは、良く知られていますね。
余った炭も、靴箱やトイレ、冷蔵庫などの消臭剤として利用できます。
除湿剤として利用する。
炭は水を吸収しやすいので、タンスや衣類の除湿剤として利用できます。
スノコを敷いて、その下に入れるとと衣服が汚れずいいですよ。
土壌改良として再利用する。
粉々に砕いた炭は、ガーデニングや畑の土に混ぜることで、土壌改良剤として利用できます。
自宅で家庭菜園をしているキャンパーは、消し炭を持ち帰って再利用してみてください。
有野実苑オートキャンプ場のファームに使っている肥料の一部にキャンパーたちが使用した炭を再利用しているよ!
しかし、いくら土壌改良になるからといって、キャンプ場の土に撒くことは厳禁です。
後から利用するキャンパーのことも考え、自宅で再利用しましょう。
バーベキューの炭の火を安全に消すには、火消しつぼや火消し袋がおすすめです。
■グリーンライフ(GREEN LIFE) 火おこし兼用火消しつぼ
■ZEN Camps 火消し袋
【⑧使い捨て商品はできるだけ使用せず再利用アイテムを使う】
使い捨て商品は手軽に使えてしまう分、使用すればそのままゴミになってしまいます。
やはりエコキャンプでは、使い捨て商品を出来るだけ使用せず再利用アイテムを使いましょう。
キャンプテーブルに、お気に入りの食器やカトラリーがあれば気分も上がります。
アウトドア用に、軽くて割れないエコな素材の食器などもたくさん販売されていますね。
また、どうしても使い捨て商品を使わないといけない場合は環境に配慮し、紙製、木製のものを選び、プラスチック商品は使用しないようにしましょう。
【⑨余計なゴミはださない】
キャンプ場では、余計なゴミは出したくないものです。
ペットボトルの飲み物は持っていかず、タンブラーや水筒などを持っていきましょう。
暖かいお湯を保温性の高いタンブラーに入れて持っていけば、現地でお湯を沸かす手間も減り燃料も削減できます。
生ごみの削減のために野菜などの下準備は自宅でしていくほか、肉類のタッパーなども自宅で処理してから出発すると、余計なゴミを減らせます。
極力、キャンプ場で出すゴミは少なくすることでエコなキャンプを目指しましょう。
【⑩ソーラー製のものを使って燃料をおさえる】
キャンプ場では、燃料の使用を極力抑えてみませんか?
ソーラー発電の電源を使えば、燃料削減に繋がります。
ソーラーランタン、ソーラーモバイルバッテリーはよく知られていますが、最近ではソーラー製のポータブルシャワー等もあります。
ソーラー発電の熱源で沸かしたポータブルシャワーを使うことで、電源や水も節約することも意識できるので、一石二鳥ですね。
■キャリー・ザ・サン(CARRY THE SUN) ソーラーランタン
■ソーラーモバイルバッテリー 40800mAh
■ソーラーライト 屋外 防水 センサーライト JESLED
■KingCamp ポータブルシャワー
【⑪その他エコ商品を積極的に使う】
洗って繰り返し使えたり、再生資源を使用したり、エコな商品はたくさんあります。
どんどんエコ商品を使って、環境に優しいキャンプを実践していきましょう。
■Beluga(ベルーガ) Qaou カウ エコテント
ペットボトルから作られた、1台6役のトランスフォーマーテント。廃棄プラスチックを原料とし、染料などもつかわれておらず、環境に優しいテントです。
環境問題や人為的な脅威から絶滅の危機に瀕しているシロナガスクジラに敬意を表して「ベルーガ」と名付けられました。
重さたった2.9㎏で、ハンモック、テント、タープなど、6機能が装備されています。
・重量:2.9㎏
・収納時サイズ:15×15×42㎝
■【日本正規販売品】 スタッシャー シリコーンバッグ
使い捨てプラスチックゴミをなくして海を守りたい そんな想いからアメリカで開発されたプラスチックフリーの食品用保存容器です。
洗えば何回でもリユース可能で、食洗機にも対応しています。
サイズやカラーも豊富で、キャンプの食材を詰めておけば、ビニールのゴミも減らせます。また、余った食材も保存して持ち帰ることも可能です。
・サイズ:19×20×2cm
・材質:シリコーンゴム(プラチナシリコーン)
・耐熱温度:250℃
・耐冷温度:-18℃
■ケリーケトル(Kelly Kettle) スカウト1.2L ステンレス
1890年にアイルランドで生まれて以来、100年以上殆ど形状を変えずに世界中で愛されているケトルです。燃料不要で、キャンプ場に落ちている小枝や松ぼっくりがあればお湯が沸く、なんともエコなケトル。
底にあるファイヤーベースファイヤーベースに、燃料となる小枝や松ぼっくりなどをいれ、独自の空洞二重構造でケトルのお湯が素早く沸く仕組みになっています。
約3〜5分程度で1度にカップ3〜4杯のお湯を沸かすことができます。
・素材:ステンレススチール18-8(SUS304)、キャップ素材:シリコン
・高さ:約31cm(収納時の高さ:26cm)
・最大部分の直径:18.5cm
・水の容量:1.2L
■SuperBee Beeswax Wraps ミツロウラップ | 再利用可能なフードラップ
ミツロウラップとは、洗って繰り返し使える、再利用可能な食品ラップです。
100オーガニックコットンで作られているので、環境に優しく、使い古したミツロウラップは、焚き火の着火剤として使用することもできます。
・サイズ:S/20×20㎝ M/26×26㎝ L/33×33㎝
■山陽製紙 レジャー シート キャンプ アウトドア ピクニック ラグ
電線を巻くための工業用紙を使用した、丈夫で軽いピクニックラグ。
再生紙を使用しているため、地球に優しいエコなレジャーシートです。
・本体サイズ:約135×90cm
・材質:再生紙
まとめ:環境に配慮して気持ちよくキャンプをしよう
未来の地球に、人々が笑顔で暮らせるように、私たちキャンパーとして出来ることを考える。そして、考えたことを実行する。
ひとりひとりが実践することは些細な事かもしれませんが、その積み重ねが、地球を守っていく大切な第一歩になるのです。
日常生活では、ビニール袋をエコバッグに変えたり、少しの移動は自転車に変えたり、環境への負担を減らすための工夫を心掛けて生活している人は多いですね。
ぜひその優しさをキャンプにも取り入れてみて、地球の未来を守るため、エコキャンプを始めてみませんか?