【キャンプ場スタッフ監修】正しいペグの打ち方知っていますか?初心者の方がよく悩むのがテント設営時に関しての問題。テントの張り方はもちろん大事ですが、このペグの打ち方によってテントが緩んだり飛ばされたりしてしまうことも!
正しい打ち方で打てばテント本来の強度が保て、夜テントで過ごす時も安心して過ごせます。
今回は、キャンプ歴10年以上のベテランキャンパーAtsuさんにキャンプでテントを張る際に重要になってくるペグの種類と正しい打ち方、打つときの注意点などを紹介してもらいます!
こんにちは!有野実苑オートキャンプ場の妖精、コッフェルくんだよ!
キャンプのことはなんでも聞いてね!
テント設営時にペグを打つんですが、いまいち合っているのか不安です……。ペグの正しい打ち方を教えてください!
まかせて!ペグは正しく打てないとテントそのものの強度を保つことができないのに加えて、強風などで飛ばされてしまう危険性もあるよ!今回はキャンプ歴10年以上のベテランキャンパーAtsuさんに正しいペグの打ち方から注意点までまとめて紹介してもらうね♪
有野実苑(ありのみえん)オートキャンプ場は千葉県山武市にある緑豊かな森と農園に囲まれたキャンプ場。 関東近郊で都心から90分というアクセスのいい立地にありながら、きれいな空気と新鮮な産物に恵まれ、四季折々のキャンプを気軽にお楽しみいただけます。 木々に囲まれて区画されたサイトと、充実した設備、各種クラフト体験や収穫体験など様々なイベントをご用意し、 スタッフ一同、皆さまのお越しをお待ちしております。
有野実苑オートキャンプ場公式サイトはこちら:https://arinomi.co.jp/
※本記事はキャンプのプロ!有野実苑オートキャンプ場のスタッフをはじめ、有野実苑を愛してくださるキャンパーのみなさま・全国のキャンパーのみなさまのお声、口コミを参考に制作しています。
まずは知りたいペグの種類
キャンプでテントを立てる時に欠かせないのがペグ。
一言にペグと言っても、様々な種類があります。
素材による違い、形状による違いをそれぞれ解説していきます。
【ペグ素材のそれぞれの特徴】
■鍛造
金属製の材料をハンマーなどでたたきながら作られた素材。
硬い地面でもガンガン打ち込むことが出来る最強のペグです。しかし非常に重く、価格が高いです。
■アルミ
非常に軽く、安価で手に入るペグです。柔らかく曲がりやすいので、硬い地面には不向きですが、抜きやすい特徴があります。
■ジュラルミン
純粋なアルミに、銅を加え強度を増したアルミニウム合金です。
アルミ同様、軽く、安価で、アルミより強度が増しています。
腐食しやすいというデメリットがあるので、使用後は綺麗に洗って乾燥させる必要があります。
■スチール
頑丈なのにコストが安く、バランスの取れた素材のペグです。比較的硬めの地面でも打ち込むことが出来ます。
■ステンレス
鍛造には及びませんが、硬く、重い素材です。通常のキャンプであれば、鍛造は少しオーバースペックなので、安価なステンレスで十分です。
■チタン合金
軽いのに、強度は鍛造と同等と言われるチタン合金のペグ。
ひと昔前なら鍛造ペグが最強でしたが、チタン合金の軽さと強度は、鍛造に勝るかもしれません。
デメリットは、価格が高いことです。
■プラスチック(素材)
ワイド幅で、T字になっているものが多いです。価格が安く、幅があるので、柔らかい地面でも安定します。エントリーパックなど、テントに初期付属品として付いてくることが多いです。
しかし硬い地面には弱いためなかなか刺さらず、金属ハンマーで叩くと割れてしまうということもあります。
【ペグの形状】
■ピンペグ
フックやリング状の形になっている、ベーシックなペグ。
アルミ製が多く強度はやや不安があり、硬い地面には不向きです。
強く叩くと変形してしまう事があります。
■ネイルペグ
ペグが一直線になっていて、まっすぐ打ち込みやすいペグ。
硬い地面に刺さりやすく、抜きやすいです。
先端のプラスチック部分はハンマーで割れやすいので注意。
■スクリューペグ
他のペグとは違い、ねじ状になっているので、ハンマーが無くても地面に刺さります。
柔らかい砂地で効果を発揮します。
■鍛造ペグ
強度抜群で、どんな硬い地面にも刺さります。
表面は凹凸でざらざらしていて、抵抗力があり、しっかりと地面を捉えます。
高価ですが、最強のペグです。
■プラペグ
100均などでも手に入るプラペグ。
T字になっているものが多く、柔らかい地面にしっかり刺さると抜けにくいです。
■V・U字ペグ
V字、U字の形をしたペグ。
重ねてコンパクトに収納できます。
柔らかい地面に適しており、雪や砂地でもしっかり固定できます。
■X・Y字ペグ
X字、Y字の形をしたペグ。
軽く、折れ曲がりにくいのが特徴です。
比較的硬い地面に打ち込みやすく、接地面が多いので抜けにくいです。
ペグの正しい打ち方(ペグダウン)
ペグを地面に打ち込む事をペグダウンと言います。
正しいペグダウンを身に付けることで、しっかり地面に固定されて安全にテントを立てることが出来ます。
ペグを打つ前に、地面が石や根っこがないことを確認してね!
【①ペグの角度は60〜90度を参考に!】
まずはテントと反対方向にペグを傾け、地面に打ち込みます。
その時、地面に対して60度、ペグに結びつけるロープとは90度になるようにします。
上の画像のようにテントと同じ方向に向けると、ペグが抜けてしまうことも!
【②ペグに対してまっすぐの向きで打ち込む】
角度が決まれば、ハンマーの角度は、ペグに対してまっすぐの向きで打ち込みます。
斜めから打ち込んでしまうと、ペグが変形する原因になります。
大体3〜4cm頭が見えるくらいまで打ち込めたら完了です!
【③打ちこむ地面の状態によってペグの種類を使い分けるのもアリ】
キャンプ地によって、地面の状態は様々です。
鍛造ペグは最強で、硬い地面でも打ち込めますが、全て鍛造ペグで何本も揃えるとかなりの重さになります。
芝生で整備された地面にはスチールペグ、砂地などでは、V・U字のペグと、地面の状態によってペグの種類を使い分けると良いでしょう。
また、プラペグを使うときは、ハンマーもプラスチック製にしましょう。
なぜならプラペグに金属製のペグハンマーを使うと、プラペグが破損してしまいます。
プラペグはデメリットしかないと思いがちだけど、砂地にプラペグは軽く刺さりやすためおすすめ。自分たちがキャンプする地面のコンディションによって変わるのでしっかり事前チェックはしておこう!
【ペグを2本使うクロス打ちはおすすめ?】
通常は、地面によって形状を変えたり、抜けやすい場合は長いペグにしたりしますが、
それでも地面が柔らかすぎたり、風が強かったりして、どうしても抜けてしまう場合があります。
そんな時に活躍する打ち方がクロス打ちです。
クロス打ちには、決まったやり方はなく、2本のペグを使うという意味です。
地面が柔らかく、ロープに引っ張られるように抜けてしまうペグを、もう一本のペグで支えるようにする方法。
ロープを20~30㎝程離して、2本のペグでロープを支え、加わる力を分散する方法(この時、クロスさせた方が安定する)などがあります。
しかし、あまりに強風が吹いているときは危険ですので、テントやタープをたたむことをおすすめします。
ペグの打ち方で気を付けたい注意点
ペグダウン中に硬いものにあたったら、一度ペグを抜いて、別の場所に再度打ち込みましょう。
そのまま打ち続けると、ペグが破損してしまいます。
また、ペグハンマーには、ストラップが付いているので、必ず手首にかけて使用しましょう。
こうしておくことで、万が一手が滑っても、ハンマーが飛んでいくことを防げます。
ペグの変形を防ぐために、打ち込む角度はペグに対してまっすぐを心がけましょう。
ペグの抜き方とうまく抜けない時の対処方法
ハンマーにペグ抜きが付いているので、それをペグの穴やくぼみに差し込んで抜きます。
まっすぐに引っ張っても抜けにくいので、左右に揺らしながら、ペグと地面の隙間を作るようにして引っ張ります。
それでもどうしても抜けないときは、ペグの穴に、別のペグを差し込み、ぐるぐる回します。
また、ペグを横から軽くハンマーで叩いて、地面との隙間を作るようにして抜きましょう。
キャンプギアではありませんが、マンホールや溝蓋を持ち上げる時に使う「マンホールリフター」という商品が、抜けにくいペグを抜くときに活躍してくれます。
ペグの打ち込み・抜き取り&保管におすすめのアイテム
【ペグハンマー】
ペグダウンや撤去時に必要不可欠なアイテムといえばペグハンマー。
ペグハンマーとは文字通り、ペグを打つためのハンマーです。
ペグ抜きや、ストラップも付いているところが、通常のハンマーとは異なります。
持ち手は天然木でできていたり、ペグも一緒に収納できる収納ケースがついていたりとデザインもさまざま。
詳しくは下記の記事で説明しているのでチェックしてみてくださいね。
あなたにぴったりのハンマーがきっと見つかりますよ!
【ペグケース】
ペグケースは、ペグを収納しておくためのケースのこと。
ソフトタイプ、ハードタイプがあり、ソフトタイプには、ロール型やバック型があります。
サイズや携帯性で選びましょう。
防水加工がされたもの、開けた時に中身が見えやすいものがおすすめ!
詳しくは下記の記事でお気に入りのペグケースをチェック!
まとめ:ペグを正しく打って安全にテントを張って過ごそう
ペグをいかに正しく打つことができるかどうかで、どんな地面の状態でも安全に少しくらいの風にならびくともしないテントを張ることが出来ます。
ペグは、目立つギアではありません。しかし、とっても奥が深いギア。
縁の下の力持ちであるペグは、ハードなフィールドで、いぶし銀の活躍をしてくれるでしょう。