【キャンプ場スタッフ監修】不要になった紙を再利用して作れるペーパーログ(紙薪)を知っていますか?読み終わった新聞紙などで簡単に作れるので、キャンプなどのアウトドアシーンではもちろん、災害時にも役に立つので作り方を覚えておくといい知識のひとつ。
また不要な紙を再利用することで、木などの資源を無駄にせずに楽しめるので最近ではペーパーログを薪に混ぜて使う人も増えています!
今回はペーパーログを使うメリット・デメリットから作り方の手順などを年間40泊以上、ガチキャンパーの沖野隆さんが紹介していきます。
こんにちは!有野実苑オートキャンプ場の妖精、コッフェルくんだよ!
キャンプのことはなんでも聞いてね!
ペーパーログを作りたいんですが、どんな紙でもできますか?作り方なども知りたいです
まかせて!ペーパーログを作るのに適しているのは新聞紙やコピー用紙などの紙類。段ボールは水に溶けにくく、ペーパーログを作るのには適してないんだ。今回は作り方や使用時の注意点もあわせて年間40泊以上、ガチキャンパーの沖野隆さんに紹介してもらうね♪
有野実苑(ありのみえん)オートキャンプ場は千葉県山武市にある緑豊かな森と農園に囲まれたキャンプ場。 関東近郊で都心から90分というアクセスのいい立地にありながら、きれいな空気と新鮮な産物に恵まれ、四季折々のキャンプを気軽にお楽しみいただけます。 木々に囲まれて区画されたサイトと、充実した設備、各種クラフト体験や収穫体験など様々なイベントをご用意し、 スタッフ一同、皆さまのお越しをお待ちしております。
有野実苑オートキャンプ場公式サイトはこちら:https://arinomi.co.jp/
※本記事はキャンプのプロ!有野実苑オートキャンプ場のスタッフをはじめ、有野実苑を愛してくださるキャンパーのみなさま・全国のキャンパーのみなさまのお声、口コミを参考に制作しています。
災害時でもさっと作れる!紙を再利用して薪をつくるペーパーログとは
先日、焚き火中に「薪代って意外とかかるなぁ」と思いました。そんなとき、紙で薪を作れるの知り、ペーパーログ(紙薪)作りに挑戦。
「紙で薪が作れるの?」と思うかもしれませんが、なかなか優秀な薪ができました。
ペーパーログとは紙薪とも呼ばれ、リサイクルされた紙製品やその他の生分解性材料を水に浸し、繊維を分解して作られた、燃料として使用される燃料ブロックのこと。不要になった新聞紙や段ボールなど廃棄物を再利用するためとってもエコ!
海外では「paper fire logs」と呼んでいて、世界中のキャンパーたちの間でも馴染みがあります。
材料は不用になった新聞紙のみなので、実質0円。
今回は、エコでコスパ抜群なペーパーログ(紙薪)の作り方やメリット・デメリット、実際にキャンプで使ってみた使用感も紹介していきます。
ペーパーログ(紙薪)を作って使うメリット・デメリット
実際にペーパーログを作って使用してみましたが、やはりメリットだけでなくデメリットと感じる部分もありましたので両方紹介します。
【ペーパーログ(紙薪)のメリット】
■材料費が安い
とにかくコストがかかりません。不用になった新聞紙と、家やキャンプで使うものだけで製作できます。段ボールでも作れます。
■環境に優しくエコ
不用な新聞紙や段ボールを処分するのでなく再利用するため、エコキャンプにもなりますよ。
■作り方が簡単
作り方もとても簡単。シンプルな作りなので工程数も少なく、迷うことなく作れます。
■災害時にも活躍
ペーパーログは材料さえ揃っていれば、場所選ばずどこでも作ることができます。
また、紙製のため超軽量なので、持ち運びにも便利です。
■着火剤としても優秀
一度火がついたペーパーログは、紙とは思えないほどの燃焼時間です。
そのため、焚き火だけでなく、炭を使うBBQコンロなどの着火剤としても使えます。
【ペーパーログ(紙薪)のデメリット】
■燃やすと紙独特の匂いがする
火をつけると、新聞紙についたインク独特の匂いがするときがあります。また、薪にくらべ煙も多いと感じました。
■灰が残る
薪にくらべ、灰が多く残ります。使用後の処理も大切ですが、使用中も灰が風で舞わないように注意が必要です。
【手順別】ペーパーログの作り方
では、実際にペーパーログを作ってみたので、手順別に見ていきましょう。とっても簡単ですよ。
【手順1:新聞紙やコピー用紙など不要な紙と道具を用意】
まず、ペーパーログ作りに必要なものを見ていきましょう。
■新聞紙
不用になった新聞紙やコピー用紙で大丈夫です。新聞紙の方が、柔らかく扱いやすのでおすすめ。
■バケツ
ちぎった新聞紙を水に浸すのに使います。
■棒
水に浸した新聞紙を、薪状に形成する際に使います。
■ラップ
棒にラップを巻いておくと、形成したペーパーログがスルッと抜けて便利です。
【手順2:紙を細切れにする】
次に、新聞紙を細かくちぎっていきます。
シュレッダーがあれば便利ですが、無ければ地道に手でちぎっていきましょう。ペーパーログ作りで、この作業が一番大変です。
ちぎるサイズは、なるべく小さくしましょう。大きいと乾燥した際に剥がれてくる可能性があるうえに、紙と紙の間に隙間ができ、着火した際にそこから空気が入りあっという間に燃え尽きてしまいます。
また、写真のように多めに作り置きしておくと、作業を効率化できます。
【手順3:紙を水に浸してやわらかくなるまで置いておく】
ちぎった新聞紙を水を張ったバケツに入れ、水に浸していきます。水に浸すと柔らかくなるので、もう一度細かくちぎりましょう。
お湯を使うと新聞紙がすぐに柔らかくなるので、時間がある方は試してください。
【手順4:良く絞り形成する】
柔らかくなった新聞紙を、棒に貼り付け形成していきます。このとき、棒にラップを巻いておくとペーパーログが簡単に抜けるので、あると便利です。
棒に新聞紙を、粘土のようにペタペタ貼り付けていきます。手で水を絞り形を整えながら、貼り付けてください。
固く大きく作れば燃焼時間が長く薪として使え、小さくふんわりと作れば火がつきやすく着火剤に向いたペーパーログになります。
棒を抜きます。ラップを巻いてあるため、簡単に抜けます。形が崩れないように注意しながら、ラップも抜いてください。
また、型に新聞紙を押し込んで水を切っていく方法もあります。この方が大きなペーパーログが作れますが、乾燥するまでに時間がかかります。
【手順5:しっかり乾燥させれば出来上がり】
あとは、乾燥させるだけ。長さ8cm×直径4cmほどで作りましたが、乾燥までに2日から3日かかります。
新聞紙1日分で、写真の量のペーパーログが作れましたよ。
ペーパーログを使う際の注意点
実際に、ペーパーログを使い焚き火をしました。気になった点をまとめます。
■燃やすと新聞紙のインクの匂いがして食べ物につく
ペーパーログを燃やすと、新聞紙についたインクの匂いがするときがあります。もし調理する場合は、インクの匂いが食材に付かないように注意が必要です。
焚き火を楽しむ場合は問題ないですね。
■灰の量が多い
薪にくらべ大量の灰がでるため、処理に手間がかかります。
また、勢い良く火吹き棒で空気を送り込むと灰が舞い上がり、周りを汚したり食べ物に灰が入ったりなどの恐れがあるので注意してください。
■薪と一緒に使うと効果抜群
一度火がついたペーパーログは、中が空洞になっているため良く燃えます。
薪にくらべ燃焼時間が短いためペーパーログだけでの焚き火は少し物足りないですが、薪と混ぜて使えば効果は抜群です。
着火剤としての使用が1番良いと感じます。
これでペーパーログづくりもはかどる!「ペーパーログ製作器」
「もっと簡単にペーパーログを作りたい」という方には、こちらのペーパーログ製作器がおすすめ。
作り方は水に浸した新聞紙を製作器の型に入れ、圧力をかけて水分を落とせば完成です。
ブロック状の大きなペーパーログが作れます。乾燥までは時間がかかりますが、その分燃焼時間も長いペーパーログになります。
まとめ:不要な紙で薪の補助材としても優秀なペーパーログを作って焚き火をしよう
今回は、エコで災害時にも役立つペーパーログの作り方を紹介しました。
薪はキャンプで必要不可欠ですが、有限な資源です。資源を維持していくためにも、私たちキャンパーもエコなキャンプを意識していきたいものです。
エコキャンプは、まずは気軽にできることから!ペーパーログ作り、おすすめですよ。