【キャンプ場スタッフ監修】着火剤がない時の火起こしの仕方や代用品の解説記事!
キャンプでの焚き火や料理に火は必要不可欠。でも、もしも着火剤を忘れてしまったら?
そんな時に慌てなくて済むように、着火剤の代用品になるものを事前にチェックしておきましょう!
家から簡単に持ってこれる素材や、現地で調達できる自然のものなどを着火方法もあわせてまとめて紹介します♪
こんにちは!有野実苑オートキャンプ場の妖精、コッフェルくんだよ!
キャンプのことはなんでも聞いてね!
着火剤がない時、もしくは着火剤を使わずに火をつけたい時に代用できるものはありますか?
着火剤があれば火がつけやすく、火おこしが楽になるよね!でも着火剤を使わなくても実は火おこしを手伝ってくれるものは沢山あるんだ♪今回は着火剤がない時に代用できるものをキャンプ歴10年以上のベテランキャンパーAtsuさんに紹介してもらうね!
有野実苑(ありのみえん)オートキャンプ場は千葉県山武市にある緑豊かな森と農園に囲まれたキャンプ場。 関東近郊で都心から90分というアクセスのいい立地にありながら、きれいな空気と新鮮な産物に恵まれ、四季折々のキャンプを気軽にお楽しみいただけます。 木々に囲まれて区画されたサイトと、充実した設備、各種クラフト体験や収穫体験など様々なイベントをご用意し、 スタッフ一同、皆さまのお越しをお待ちしております。
有野実苑オートキャンプ場公式サイトはこちら:https://arinomi.co.jp/
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※本記事はキャンプのプロ!有野実苑オートキャンプ場のスタッフをはじめ、有野実苑を愛してくださるキャンパーのみなさま・全国のキャンパーのみなさまのお声、口コミを参考に制作しています。
まずは知っておきたい着火剤とは?
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着火剤とは、炭や薪など直接火をつけにくいものへの燃焼を助けるアイテムです。
多くは、アルコールなどの燃えやすいものが原料となっていて、ゼリー状やスティック状になっているものが多く、持ち運ぶ時に安全に携行できるように作られています。
多少の風でも着火が可能で、火持ちも良く炭や薪がしっかりと着火するのを助けてくれます。
着火剤がない時に代用できるアイテム
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常に着火剤に頼っていると、着火剤がない時に火をおこすことが出来ません。
今回は、着火剤がなくても火がおこせるように代用できるアイテムがあることを頭に入れておきましょう。
キャンプやアウトドアだけでなく、災害時にも役立つこと間違いなしの知識です!
【新聞紙】
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新聞紙は、着火剤がない時の代用品としてのテッパンアイテムです。
汚れたものを包んだり、油をふき取ったりと、キャンプには新聞紙が役立つことが多く、必ず持って行くというキャンパーも多いのではないでしょうか。
着火剤を忘れてしまった時、真っ先に新聞紙を使ってみましょう。
その時に、くしゃっと丸めて着火してしまうと、火は付きますが、すぐに消えてしまい、炭や薪に火を起こすまで新聞紙の炎は持ちません。
まず、新聞紙を20cmほどの棒状にしたものを10〜15本ほど作り、それをキャンプファイヤーの要領で「いげた型(ダイヤ型)」に積み上げていきます。
その周りに炭を置き、いげたに積み上げた新聞紙の真ん中に、燃えた新聞紙を投入します。
これで暫く待てば、しっかり炭に着火しますよ。
着火剤の様に、炭に着火するまである程度炎を持続させる必要があります!
また、新聞紙を「紙薪(ペーパーログ)」にするという方法もあります。紙薪は、まさしく、紙でできた薪。
あらかじめ準備が必要なので、着火剤がない時に急に代用できるものではありませんが、そもそも着火剤を購入せず、家にある新聞紙で着火剤が作れてしまいます。
作り方は簡単。水に浸した新聞紙を、丸い棒(麺棒や、ラップの芯など)に貼りつけ、ぎゅっと絞って形を作り、カラカラに乾かすだけです。
完全に乾くまで数日(3日〜10日)かかりますので前もって準備が必要ですが、費用もかからないのでおすすめです。自作の着火剤で火をおこしてみましょう。
ペーパーログ製作機なんてのもあったよ!
【牛乳パック・段ボール】
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牛乳パックや段ボールも、着火剤として役に立ちます。
とくに牛乳パックは、内側がワックスコーティングされているので非常に燃えやすく、また燃えカスも少ないです。
牛乳パックも段ボールも、予め細かくちぎり高さが出るように起きます。
その上に、炭や薪を置くと、着火します。
普段出るゴミを再利用できるのは環境にもいいですね!
【紙製ガムテープ】
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実はガムテープも着火剤になります。
ガムテープの粘着部分(水溶性のり)が、燃えやすい成分で出来ています。
しかし、燃焼時間が少なく燃えると臭いが発生することが欠点です。
ガムテープも、キャンプでは重宝するので持参しているキャンパーは多いと思います。
燃やすのは水溶性のりを使用した紙製のガムテープにしてくださいね!
【ワセリン(リップクリームなど)】
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ワセリンは、石油を精製して作られたもので、非常に良く燃えます。
リップクリームも、ワセリンから出来ています。
段ボールなどの乾燥した紙に、ワセリンやリップクリームをしっかりと塗り込むことで、かなり燃焼効果がアップします。
また、ワセリンとコットンボールを使用して、ワセリンコットンボールという、自作の着火剤を作ることも出来ます。
ワセリンコットンボールの作り方は、ワセリンを湯煎で溶かし、コットンボールに染み込ませます。ワセリンが染み込んだコットンボールを冷やせば非常によく燃える着火剤の出来上がりです。
【ポテトチップス・みかんの皮】
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ポテトチップスやみかんの皮も着火剤代わりになります。
ポテトチップスは、油分を多く含んでいるのでそれだけで良く燃えます。
しかし、ポテトチップスは食べ物なので、どうしても困った時のみの使用にとどめましょう。
また、みかんの皮には「リモネン」という精油成分が含まれているのでこちらも良く燃えます。
ただし、しっかり乾燥させてから使う必要があるのでみかんを食べ終えてすぐに着火剤として使えるわけではありません。
【キッチンペーパー+油】
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油は非常に燃えやすいので、キッチンペーパーに含ませると、着火剤として活躍してくれます。
チャッカマンで簡単に着火でき、燃え始めから強い火力を維持します。
一番手軽で、必ず着火できるので、特に初心者にはおすすめです。
【麻紐】
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麻紐も、細かくほぐした繊維に着火させることが出来ます。
火はつきやすいですが炭や薪に着火させるほどの火力はありませんので、割り箸や小枝などを燃やすための第一段階と考えると良いでしょう。
【松ぼっくり・スギの葉】
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松ぼっくりやスギの葉は、「天然の着火剤」とも呼ばれ非常によく燃えます。
特に松ぼっくりは、松脂を含んでいるので良く燃えてくれます。
しっかりと乾燥した松ぼっくりを選びましょう。笠が開いているほうが乾燥しています。
スギの葉は、着火すると、非常によく燃え上がりますが、短時間で消えてしまいますので、乾燥したスギの葉を沢山準備しましょう。
山に落ちている、茶色のとげとげした物がスギの葉です。
【割りばし】
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割り箸も、着火剤として使用できます。
こちらも、新聞紙と同様、いげた型に積み上げ、真ん中から着火していきます。
長さがあるので、半分に折って使用するのがおすすめです。
しかし、何本も消費してしまいますので、ポテトチップスと同様どうしても困った時の使用にとどめるのが良いでしょう。
フェザースティックの練習としても割り箸は役立ちますよ!
【小枝・枝】
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割り箸と同じように、小枝や枝も着火剤になります。
同じような大きさ長さの物があれば、いげた型に組むことも出来ますが、長さや太さが不揃いの場合は、小枝を中央に向けて円錐型に組む「ティピー型」に組んで下から火を入れましょう。
小枝を拾う際は、松ぼっくり同様しっかり乾燥したものを選ばないといけません。
半分に折ってみて、ポキッと折れたらしっかり乾燥しています。
【フェザースティック】
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フェザースティックとは、薪をナイフやナタで割り細くなった薪の表面をナイフで薄く削り重ねて羽のような形にしたものです。
着火剤がない時には、フェザーステック作りにチャレンジしてみましょう。
薪を細くできない場合は、割り箸でも代用できます。
着火剤として使う場合、1本では太い薪や炭に着火することは難しいので複数本作成する必要があります。
着火剤を使わない火の起こしのコツは3つ!
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着火剤が無くても、これらの代用品で火をおこすことができます。
しかし、着火剤のようにポンと入れておくだけで燃えてくれるわけではありません。
少し工夫が必要です。
ここからは着火剤なしで火をおこすときの3つのコツを紹介していきます。
【①薪・炭の組み方に気を付ける】
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薪、炭に火を起こすとき、下から上への空気の流れが必要になります。
薪や炭は、いげた型に組みましょう。
サイズやスペース的にいげたに組むのが無理な場合は、中央に向けて円錐に組むティピー型を意識して組んでいきます。
その中央に、着火剤の代わりになるものを入れます。
中央から燃えてくると、自然と空気が周りから入って上に抜けていきよく燃えます。
【②薪や枝の細さを変えてバランスよく使う】
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はじめから大きい薪や炭に火をつけようとすると火起こしはうまくいきません。
小さい火種を少しづつ大きくしていくイメージを持ってください。
そこで、火口に火がついたら薪や枝の細いものに火をうつしていきます。
今回でいえば、火口は着火剤の代用品のことになるね!
薪や枝は、細い方が着火しやすいので、中央の火の近くに細い物から置いていきます。
細い薪や枝に着火したら、その上に大きい薪や炭を置いていき、火を大きくしていきしょう!
【③火が立つ前に仰ぎすぎない】
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新聞紙や小枝などの着火剤代わりのものだけが燃えている状態で仰ぐと、すぐに消えてしまう場合があります。
はじめはあまり風を送らず火が大きくなるまで我慢します。
炭や薪に着火しだしたら火吹き棒などで吹いたり、うちわで仰いだりして風を送ることでしっかり火がつきます。
火起こし器があれば火起こしも簡単・安全に!
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初心者ならば、火起こし器があれば、簡単で安全に火をおこすことが出来ます。
火起こし器の下に、着火剤代わりの新聞紙や割り箸等を詰め、その上に炭や薪を置きます。
あとは、火を付けて放置するのみ。何もしなくても簡単に火をおこせます。
これは、火起こし器の形状が、下から上への風の対流が出来ているからです。
火起こしに自信がない場合は、火起こし器を準備していくと、火起こしの時間が短縮されますね。
他にもある!火起こしを手伝うアイテム
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他にも、火をおこしを手伝うアイテムはたくさんあります。
一番頼りになるのは、やはり「バーナー」です。
チャッカマンではすこし頼りないと感じますが、バーナーがあれば、直接薪や炭み火を当てて着火させることも可能です。
また、耐火グローブや、薪バサミもあれば、炭や薪の置く方向を変えたりするのが簡単なので、全体的にはやく火が回ります。
少し上級者になってきたら、ナイフ、ファイヤースターターがあると、そこに火種が無くても火をおこすことは可能です。
ナイフでファイヤースティックを作り、ファイヤースターターでシュッと火を付けてみましょう。
ライターやマッチなども使わずに火をおこせたら、なんとも言えない達成感を味わえます。
まとめ:着火剤なしでも火付けは可能!よりサバイバル感を味わって火起こししよう
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火おこしには着火剤が必須だと考えているキャンパーは、一度着火剤を持たずにキャンプに出発してみましょう。少しの知識があれば、そこにあるもので何とかなるものです。新聞紙を丸めたり、松ぼっくりを集めたり……。
また、敢えて火種を持たずにファイヤースターターを使って火をおこしする、軽くブッシュクラフトにチャレンジしてみるのもいいかもしれません。
キャンプとは、外で楽しく過ごすこと。
足りない物を色々な工夫で楽しんで解決し、様々な方法で火をおこしてみませんか。